天国の現実
The Reality of Heaven
July 30, 2024
引用文集
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聖書はコロサイ3章1節で、次のように教えています。「あなたがたは、キリストと共に新しい命によみがえったのだから、キリストが神の右の栄誉ある座についておられる天国の現実に目を向けなさい」(英語NLT訳)。では、聖書はこれらの「天国の現実」について何と言っているのでしょうか。
天国は神が住まい、支配しておられる場所です。聖書は天国を「神の住まい」「神の家」「神の都」と呼んでいます。これらの表現が示すように、天国は神が住んでおられる場所です。
しかし、イエスは聖書で31回、天国を「神の国」または「天の国(王国)」と呼んでおられます。つまり天国は、単に神が住んでおられる場所でなく、神が支配する場所でもあるのです。詩篇123篇1節には、「主よ、わたしはあなたに向かって、そして、あなたが支配しておられる天に向かって、目を上げます」(英語GNB訳)とあります。
天国は実際の場所です。天国は心の状態ではありません。存在状態でもありません。また、あなたの本質が幽霊のように漂う場所でもありません。現実にある場所です。事実、聖書は、天国に道、木、水、家があると言っています。聖句の多くは、そこに動物がいることを示唆しています。あなたは復活によって再生された肉体を持つでしょう。そして、あなたの現実の肉体が生きていく実際の場所があるのです。「わたしの父の家には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう言っておいたであろう。あなたがたのために、場所を用意しに行くのだから」(ヨハネ14:2)。
また、マタイ6章20節でイエスは、「むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に、宝をたくわえなさい」と述べました。現実に存在しない場所に宝を蓄えることはできません。
天国は私たちのために設計されました。神はご自身のために天国を設計されたのではありません。神は天国をご自分に従う者たちのために設計されました。聖書にはこうあります。「わたしの父に祝福された人たちよ、さあ、世の初めからあなたがたのために用意されている御国を受けつぎなさい」(マタイ25:34)。…
人間は、地上で永遠に生きるように造られたのではありません。私たちは天国で生きるために造られたのです。ヘブル13章14節には、「この世は私たちが永遠に住む所ではありません。私たちは、天にある永遠の住まいを待ち望んでいるのです」(リビングバイブル)とあります。いったん神の家族の一員となれば、人生には、今ここで生きる以上にはるかに多くのものがあるのです。本当に、この世はあなたの故郷ではありません。あなたはただ通り過ぎているだけです。
天国に関して言えば、「目がまだ見ず、耳がまだ聞かず、人の心に思い浮びもしなかったことを、神は、ご自分を愛する者たちのために備えられた」(1コリント2:9)のです。あなたが天国について何を夢見たにせよ、現実はそれをはるかにしのぐものとなるでしょう。—リック・ウォレン [1]
終わりではなく、移行
友や愛する人の死と直面することは、いつだって辛いものです。通常、色々な感情が入り混じります。
その人がもう一緒にいないという悲しみがあります。けれども、その人が天国にいることの喜びもあります。私たちの生涯における一つの章が閉じられたことへの悲しみがあり、私たちにとってとても大切な存在が、今はもう記憶の中にしか存在しないことへの悲しみもあります。また、安堵や解放感を抱くこともあります。… 大切な人が、この人生がもたらす苦しみや不快感を味わわなくて済むようになったからです。
このような時には、これらの感情や、その他、数え切れないほどの感情が非常に強く感じられるものです。イエスが「悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう」(マタイ5:4)と述べた理由が理解できます。…
聖書は、肉体の死は終わりではなく、移行であることを明確にしています。物理的な身体が機能しなくなるという点では終結の要素はありますが、聖書は単に外面の人である身体だけでなく、内面の人について述べています。
人間は魂を持つ霊的な存在であり、身体に宿っています。身体が機能しなくなった時、人間の霊は単に新しい場所に移行するだけです。信者にとって、その新しい場所とは「天国」と呼ばれる素晴らしい場所です。私たちが、信者が死んで『より良い場所』に行ったと言う時、それはただの決まり文句ではありません。
天国は夢ではありません。誰かの想像の産物でも … 難解な抽象概念でも … 誰かの神学的な概念でもありません。天国は実際の場所です。
パウロはこう述べました。「この世を去ってキリストと共にいること … の方がはるかに望ましい」(ピリピ1:23)。そして、この「地上の幕屋」が壊れたとしても、私たちには、神が造られた家、人の手によらない永遠の家がある(2コリント5:1)、また、「肉体から離れ」ることは、「主と共に住む」ことである(2コリント5:8)と言いました。…
主イエス・キリストを信じる皆さんに励ましの言葉を送ります。あなたは友と愛する人に再び会います。そして昔の賛美歌にあるように、その日は何という喜びの日になることでしょう!—トニー・クック [2]
生ける望み
最近、私は死について考えていました。医学がこれほど進歩しても、すべての生き物は最終的に死を迎えます。このことについて聖書がどう述べているのか気になって見てみると、いくつか驚くべきことを発見しました。
実は、死は、神の創造の当初の計画には含まれていなかったのです。それは神に対する人間の不従順の結果でした。神は人間が永遠に生きることを意図しておられましたが、人間の堕落した罪深い性質のため、そうすることができなくなりました。死は罪の罰であり、私たちは皆、それを受けなければならないのです。「ひとりの人[アダム]によって、罪がこの世にはいり、また罪によって死がはいってきたように、こうして、すべての人が罪を犯したので、死が全人類にはいり込んだのである」(ローマ5:12)。
しかし、良い知らせがあります。それは、死の刺が克服されたことです。イエス・キリストは復活によって死に打ち勝ちました。聖書はイエスの復活を「生ける望み」と呼んでいます(1ペテロ1:3)。イエスが死からよみがえったので、他の人々もよみがえるという約束があります。これはイエスの再臨の時に起こり、生きている人でイエスを心に受け入れたすべての人は、イエスの復活の時のような新しい超自然的な体を受けるようになります(1コリント15:51–52)。
この出来事以前に亡くなった信者たちに対して、イエスは死が終わりではなく、霊的な新しい人生への門戸であると約束しました。イエスは言われました。「わたしが生きるので、あなたがたも生きるからである」(ヨハネ14:19)。信者にとって、死は一つの部屋から別の部屋へ移り、ドアを閉めるようなものです。彼らはこの地上の人生の重荷と制限から解放され、神の永遠の王国で自由になるのです。
イエスに信頼するなら、今の生涯が終わった後、この輝かしい新しい次元に入るという、生ける望みがあります。そこでは、今私たちが抱える痛みや問題もなく、天の栄光を永遠に享受するのです。神は「人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」(黙示録21:4)。—ウダイ・ポール
天国を確信する
わたしたちは確信している。そして、むしろ肉体から離れて主と共に住むことが、願わしいと思っている。—2コリント5:8
古い格言に、「人生には二つ、確実なものがある、それは死と税金である」というのがあります。皆、税金を払うことを嫌がりますが、それでも、できるだけ少ない額にしようとしつつ、とにかく払います。たとえ税金を減らそうとしても、結局は払わなければなりません。
死も同じです。私たちは健康的な食生活や生活習慣を心がけることができますが、やがてこの肉体は衰え、誰もが死を経験します。あなたを落胆させようとして言っているのではなく、これが現実であって、年を重ねるほど、この真実がより現実味を帯びてきます。しかし、私たちクリスチャンにとって、死は、信者でない人々と比べて全く異なる意味を持ちます。第2コリントには、信じる者にとっての死が何を意味するかに関して述べている箇所があります。…
「わたしたちの住んでいる地上の幕屋がこわれると、神からいただく建物、すなわち天にある、人の手によらない永遠の家が備えてあることを、わたしたちは知っている」(2コリント5:1)。
この地上の身体で生きる私たちには、永遠という概念は理解し難いものです。あなたは、永遠に生きることを考えようとしたことが、あるでしょうか。ある時点になると、それは意味をなさなくなります。なぜなら、私たちはすべてに始まりと終わりがある地上に生きているので、それは私たちが生きている現実ではないからです。…
パウロが私たちに促しているのは、神との永遠が私たちの現実であると知ること、そしてこれが私たちの信仰と生き方に現れるべきだということです。いつか神の御前に立つ日が来ると知れば、それが、この人生で私たちが行うすべてを導くはずです。
最後に伝えたいことがあります。あなたがキリストに人生を捧げた瞬間から、あなたは決して、再び神の臨在や神の愛から離れることがありません。あなたが生きている間、神の臨在はあなたと共にあります。あなたが死ぬ時、あなたの信仰は目に見えるものとなり、体はなくとも、あなたは主と共にいます。だから、この人生で生きても、あなたは勝ちます。この人生から去っても、あなたは勝ちます。だから、あなたの救いは人生で最も偉大な勝利なのです。なぜなら、それはあなたの希望と永遠の命の保証だからです。—クラレンス・L・ヘインズ・ジュニア [3]
2024年7月アンカーに掲載 朗読:ガブリエル・ガルシア・バルディビエソ 音楽:マイケル・フォガティ