人生の季節
Seasons of Life
January 27, 2020
イエスからの言葉
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幸運に満たされた人生を送る人々がいるように思われるのはなぜなのだろう、と疑問に思ったことはあるだろうか? 他の人々は、一見あらゆる面において試練や苦闘で一杯の人生を送っているように見える一方で、そういう人たちは健康そのもので、仕事面でも成功しており、素晴らしい家庭生活を送っているように思われる、と?
答はただ単に、比べることは賢明ではない、というものだろう。ただ、比べないよう努めなければならないのは確かだが、誰の人生の舞台裏にも、他の人には見えない数多くの事情があると理解していれば、比べるのをやめるのがもっと容易になる。
伝道の書の「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。」[1] という知恵の言葉に、その答の一部を見ることができる。誰もが厳しい状況や困難な時期を同時に通るわけではないが、誰もが時々それらを経験する。わたしを愛し、わたしに望みを置くわたしの子どもたちは、自分の仲間の信者たちもまた、人生において困難な時期を通ることを確かに知っているはずだ。
苦しみや悲しみや困難を感じる時期がなければ、完全な人生にはならない。わたしは一人一人が、様々な困難や苦労を経験することを許す。あなたはこれらを通して、克服することを学ぶからだ。身動き取れないような経験があってこそ、わたしにしがみつき、わたしの力を見出すことを学ぶのだ。多くの場合、そのような境地に至るには必死さを要し、そしてしばしばそのような必死さは、困難な時期を通った結果もたらされる。
誰かを見て、その人が人生で多くの困難を通っているとはまるで思えないかもしれないが、少なくともあなたの困難に匹敵するようなものではなかったとしても、誰もが必ず困難を経験する。あるいはこれから経験するだけのことだ。
あなたの目には理想的な人生や仕事や状況のように映るとしても、本人にとっては、実は大きな犠牲を伴う人生であるのかもしれない。こうした状況において、仮に相手の心や人生の中身が見えるとしたら、多くの場合彼らが、自分の役割を果たし、それらの祝福を受け取ることができるよう、なるべき必要のある者になるために、大きな犠牲を払ったことがわかるだろう。そして今もなお、日々犠牲を払い続けていることが。
わたしには、あなたには見えないような、心に秘められたあらゆる思いが見える。状況のせいで大きな苦しみを抱えているにもかかわらず、それほど困難な問題に面していない他の人々以上に、幸せや充足感が内面から泉のように湧き出てくる人々もいる。祝福された人生とは、問題や困難や災いがあまりなく、もっと気楽な、あるいは目に見えて成功している人生のことだと思いそうになるかもしれないが、わたしが祝福された人生と見なすのは、信仰や霊的深みや理解や、犠牲的な愛や他の人々への思いやりや、わたしとの親密な関係や、内なる霊的強さや憐れみの心に富んだ、充実した人生だ。しばしばこれらの霊の宝や貴重な資質は、教師としての役割を果たしてくれる試練や苦しみや、大変な困難を生き延びることを通してしか得られない。
天国では、誰もが幸運に満たされた生活を送る。苦しみや悲しみや、困難な状況を通して「信仰によって歩まなければ」ならない時期は、もはやなくなるが、この人生の困難な状況を通して得た特質を、あなたは永遠に持ち続けるだろう。ここ地上での時間は、地上でしか味わうことのない経験を通して、あなたがそれらの美徳を身につける機会だ。数々の困難はあるが、それらは火をくぐり抜け、試練を耐え忍ぶすべての人が学ぶ、貴重な教訓をもたらしてくれる。
人生のあらゆる経験や時期から学び、人生という学校の優等生となって勝利しようと決意しなさい。そして、自分よりも楽な人生を送っており、努力の成果がもっと明白に表われているように見える人を見かけたら、その人の人生の舞台裏でこれまでどんなことが起きてきたかを自分は知らないのだということを、思い出しなさい。一人一人が苦労を経験し、困難な成長の機会に直面している。おそらく彼らは、微笑みでそれを隠すことを学んだか、あるいはただ、今はそのような時期を通っていないだけなのだ。あなたには全体像が見えず、一人一人の人生を構成するあらゆる要素が見えるわけでもなければ、それを理解できるわけでもないのだということを覚えていなさい。
あなたの役割とは、わたしがあなたに与えた人生でできる限り最善を尽くすことだ。天国に着いたなら、人生の一つ一つの苦労や問題や損失や困難な時期があなたの益となるよう、わたしがどのように働きかけたかがわかるだろう。そして人生で負ったすべての十字架が、あなたの信仰を強め、美しい方法であなたの性質を完成させるよう、申し分なく計画されていたことに気づいて、感謝するだろう。
前進の旅
わたしは常にあなたを前へと導く。困難な時期を経験している時、あなたは人生がもっと簡単に運び、そんなにも複雑ではないように思われた頃のことを、懐かしげに振り返る傾向がある。バラ色のめがね越しにそれらを見て、物事がもっと単純だった頃のことを夢想するのだ。あなたの祈りすらも、以前のもっと楽だった状況に戻りたいという気持ちを反映している。しかし、これはあなたのためにわたしが計画した道ではない。
時間というものの性質上、移動する方向は一つだけであり、その方向とは前だ。地上での生活は、誕生から始まり、天の門で終わる旅だ。わたしはあなたの案内人であり、あなたの責任とは、わたしがどこへ導こうとそれに従うことだ。時々、わたしはあなたがあまり行きたいとは思わないような場所にあなたを連れて行くが、これはあなたの救い主である神として、わたしが持っている権限なのだ。
わたしはまた、あなたの羊飼いでもある。わたしは常にあなたを、可能な限り最善の道へと導く。それにどんな苦痛や混乱が伴おうともだ。その道が暗い谷へと続いていて、苦戦している時には、助けを求めてわたしを見上げなさい。暗闇や混乱のさなかでわたしに信頼し、従順についてきなさい。わたしはあなたの旅の一歩一歩において、優しくあなたに寄り添っている。わたしの近くに留まっているなら、前に進む道を示してあげよう。あなたの暗闇を、少しずつ光に変えてあげよう。
だから、困難な時期が訪れても、絶望してはいけない。早まってそこから逃れようとしてはいけない。タイミングを決めるのはわたしの権限だ! 天が下のすべてのことには時があり、すべてのわざには季節がある。
あなたの人生の季節は、一年の四季とは違って、不規則で予測不能だ。悲しんでいる時には、その悲しみが生涯ずっと続くように感じることがある。しかし、わたしが憐れみを示すと約束したことを思い出してほしい。わたしがあなたに対して抱いている不滅の愛は、それほども大きいのだ!
苦しんでいる時には、わたしの憐れみに満ちた臨在のしるしを探しなさい。最も暗い日々にさえも、嵐を運ぶ暗雲からわたしという光が差し込み、希望や慰めを与えている。わたしの不滅の愛は、常にあなたを明るく照らしている。わたしを見上げ、わたしの顔があなたの上に照り輝いているのを見なさい。わたしの憐れみは、決して尽きることがなく、それは朝ごとに新たにされる。[2][3]
特に記載がない限り初版は2000年5月 2020年1月に改訂・再版
朗読:ジョン・マーク 音楽:ジョン・リッスン