他の人々との関係
Relations with Others
April 3, 2025
「より幸せな人生の秘訣」シリーズ
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課題
人生とは人間関係を築くことに尽きます。息子や娘として、友人として、隣人として、両親として、同僚として、顧客として、カウンセラーとしてなど、人生を通して私たちはさまざまなレベルで他の人々と関係を築いていきます。クリスチャンにとって、人間関係を築くことの出発点は、すべての人が神のかたちに創造され、尊厳と尊敬を受けるに値するという理解です。私たちの義務と使命は、民族、性別、信条、国籍、社会的地位にかかわらず、自分を愛するように隣り人を愛することです。(マルコ12:31)
「わたしの隣り人とはだれのことですか」と尋ねられたイエスは、その答えとして善きサマリア人の物語を語られました。(ルカ10:25–37) このたとえ話では、困っている人を見た人たちがどう反応するかが比較されており、イエスは最後にこうお尋ねになりました。「この三人のうち、だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか。」 その答えはこうでした。「その人に慈悲深い行いをした人です。」 そこでイエスは言われました。「あなたも行って同じようにしなさい。」(ルカ 10:36–37)
ここに、私たちに考えるべき問題が提起されています。私たちは他の人をどのように見ているのでしょう。無視したり、通り過ぎたりして当然の「他人」として見ているのでしょうか。欠点や失敗、欠けていると思われるものを指摘し、批判的に見るのでしょうか、それとも神の創造の慈しみや素晴らしさを見るのでしょうか。私たちがどのように人と接し、神の愛を分かち合うことができるかは、他の人をどう見るかで始まります。
もし私たちが心から他の人を気にかけているのであれば、彼らへの関心と感謝を示さなければなりません。すべての人に物語があり、皆、重荷を負い、苦労に向き合っていると理解して接する必要があるのです。
親切にしなさい。あなたが出会うすべての人は、困難な戦いを戦っているのですから。
人間関係構築の出発点
他の人とうまくコミュニケーションをとり、人間関係を築くことの学びは、神との関係と神とのコミュニケーションから始まります。
変化し続け、ますます複雑化し、ハイスピードで相互に関連しあっている今日の世界では、多くの人々が、成功するため、あるいは経済的にやりくりしようとして、熱狂的な慌ただしさに巻き込まれています。多くの場合、人生の意味や自分自身の魂の永遠の運命といった、一見抽象的な事柄を深く考える時間はほとんどありません。
しかし、年月が経つにつれて、生きていく上で抱えるプレッシャーや、すべての責任を果たそうとするあまり、安らぎや満足感ではなく、ストレスや不安でいっぱいになっていることに気づくことが多いものです。その結果、家族や友人と過ごす時間を十分に確保できなかったり、永続する人間関係を築けなかったりなど、私生活に悪影響をもたらすことも多々あります。
予期せぬ事故や重病、家族の死、プライベート面での大きな損失など、個人的な危機や悲劇に見舞われたとき、この世のあらゆる成果や「物」は、希望をもたらしたり取り戻したりすることはほとんどできません。そのような時こそ、人は人生の真の価値、愛、目的、そして永遠の運命こそが最終的に重要であることに気づくのです。
聖書は、神は愛に満ちた父であり、一人ひとりの人間を唯一無二の存在として愛しておられると教えています。神は遠く離れた無関心な存在ではありません。被造物である私たちと関係を持つ、人格的な神なのです。神は私たち一人ひとりに関心を持っておられます。
神は私たちクリスチャンに、神の愛をもって他の人々に手を差し伸べ、コミュニケーションを図り、愛に満ちた関係を築くように、また、その人たちのことを私たちが気にかけており、神も愛しておられることを示すように、求めておられます。—アクティベーテッド
隣り人とは誰のことですか?
隣り人とは、私たちが神の愛を分かち合うことができる身近な人のことです。私たちは、自分と同じような人、あるいは一緒にいて気楽な人を愛するだけでなく、神が私たちの行く手に置かれたすべての人を愛するよう求められています。それどころか、イエスはこう言われました。「わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである。あなたがたが自分を愛する者を愛したからとて、なんの報いがあろうか。そのようなことは取税人でもするではないか。兄弟だけにあいさつをしたからとて、なんのすぐれた事をしているだろうか。そのようなことは異邦人でもしているではないか。それだから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」(マタイ5:44–48) 神はすべての人に愛を示されます。(ヨハネ3:16–18; 2ペテロ3:9) 神の子として(ヨハネ1:12)、私たちもまた、同じようにすることを求められているのです。—GotQuestions.org [1]
人間関係を改善するための鍵
人間関係をより良くする秘訣を知りたいですか。それには、人に仕えることを学ばなければなりません。
ほとんどの人間関係の問題の根源は、自己中心的な考え方にあります。その他の問題にも対処すべきですが、その根源はほとんどの場合、自己中心的な考え方なのです。私たちは、欲しいときに欲しいものを欲しがります。そして、どちらの人間も譲らないとき、それが争いの原因となります。
だからこそ、自分の視点から一歩踏み出して、他の人に仕えることを学ぶ必要があるのです。人に仕えることは自分を変え、その過程で人間関係も変えていきます。
私たちがこの地球にいる間に、神が学ばせたいと願っている最大の教訓のひとつとは、いかにして利他的になるかです。それは生涯かけて学ぶべきことです。そう、利他的さは、学ぶことができます。どうやって? 実にシンプルです。イエスの真似をすればいいのです。イエスはこのように言っています。「あなたがたはわたしと同じような態度をとるべきだ。なぜなら、メシアであるわたしが来たのは、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人の贖いの代価として、自分の命を与えるためだからである。」(マタイ20:28 英語TLB訳)
今度、聖書でイエスの生涯について読むときには、イエスがどのように他の人と接していたかに注目してください。イエスが常に、ご自分よりも他の人を先に置いていたことに注目してほしいのです。イエスの態度を真似るとき、あなたは自分の益のためではなく、他の人の益のために生きることになります。イエスは福音書全体で一貫してこのことを示されました。…
聖書は利他的に仕えることについて、こう言っています。「このような態度でキリストに仕えるなら、あなたは神に喜ばれ、また、人にも認められるのである。」(ローマ14:18 英語NLT訳)—リック・ウォレン [2]
他の人とコミュニケーションする上で最も重要な言葉
「私の間違いを認めます。」
「よくやったね、君が誇らしいよ!」
「あなたの意見は?」
「愛しているよ!」
「ありがとう」
「私たちは…」
最も重要でない言葉「私は…」—作者不明
賞賛は惜しみなく、批判は慎重に。
他の人とのコミュニケーションの鍵
子供の頃から、感情を表に出したり、自分の気持ちを語りすぎたりするのは弱さの表れだと信じて育ってきた人たちがいます。その結果、他の人と有意義な会話をしたり、誰かと率直に心の内を分かち合ったりする能力が育ちません。
また、自分の感じていることや考えていることをさらけ出すことを恐れている人もいます。他の人が自分の意見に反対した場合、拒絶されたり傷つけられたりするリスクを負いたくないのです。また、自分には提供できるものがあまりないとか、自分のアイデアには価値がないと思っている人もいます。そういう人たちは自己評価が低く、その結果、コメントや個人的な感情を出さずにいます。
このような遠慮や恐れは、他の人とのコミュニケーションを妨げ、より深く、より有意義なレベルに進む妨げになります。もしあなたが周りの人に関心を持ち、彼らを愛し、気にかけていることを示したいのであれば、そういった人たちのコミュニケーションを助けるためにあなたの役割を果たすことが大切です。「人の心にある計りごとは深い井戸の水のようだ、しかし、さとき人はこれをくみ出す。」(箴言20:5)
そのための一つの方法は、相手に関心を示し、あなたがその人を気にかけていることがわかるような質問をして、そっと相手の気持ちを探り、心にあることを話すよう勧めることです。そして、相手の話をじっくり聞き、あなたが理解していることや、相手の感じ方や考え方が重要だということを、どのように示せばいいかを考えるのです。それが難しいときは、神の唯一無二の被造物として、一人ひとりがかけがえのない存在であり、神がその救いと和解のためにひとり子をお与えになったほど、神にとって大切な存在であることを、思い出してください。(ヨハネ3:16)
たとえその問題や課題に対する明白な解決策がなくても、悩みを話すだけで救われることがよくあるものです。クリスチャンとして、私たちはまた、その人のために、そしてその人が心配している問題について、一緒に祈りましょうと申し出ることができます。「そこで、まず第一に勧める。すべての人のために、王たちと上に立っているすべての人々のために、願いと、祈と、とりなしと、感謝とをささげなさい。… これは、わたしたちの救主である神のみまえに良いことであり、また、みこころにかなうことである。」(1テモテ2:1–4)—宝
考えてみよう...
十戒のうち4つは神との関係を扱い、残りの6つは人との関係を扱っています。しかし、とにかく、十戒は全て関係性についてなのです。—リック・ウォレン
隣り人を愛するには、何よりもまず隣り人を見なければなりません。目だけでなく想像力をもって、つまり芸術家のように、私たちは隣り人の顔だけでなく、その背後にある、そして内にある人生を見なければなりません。私たちは隣り人を見るときに、愛という額縁に入れて見るのです。—フレデリック・ブフナー
この世は遊び場ではなく、学校の教室であることを忘れないでください。人生は休暇ではなく、教育です。そして、私たち全員にとっての永遠の教訓とは、いかによりよく愛せるかということなのです。—バーバラ・ジョーダン
聖書の言葉は...
だから、あなたがたは、今しているように、互に慰め合い、相互の徳を高めなさい。—1テサロニケ5:11
愛をもって互に仕えなさい。律法の全体は、「自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ」というこの一句に尽きるからである。—ガラテヤ5:13–14
あなたは彼らに勧めて、… いつでも良いわざをする用意があり、だれをもそしらず、争わず、寛容であって、すべての人に対してどこまでも柔和な態度を示すべきことを、思い出させなさい。—テトス3:1–2
2025年4月アンカーに掲載 朗読:ジョン・ローレンス
1 “Who is my neighbor, biblically speaking?”GotQuestions, https://www.gotquestions.org/who-is-my-neighbor.html
2 Rick Warren, “The Key to Improving Your Relationships,” PastorRick.com, November 12, 2019, https://pastorrick.com/the-key-to-improving-your-relationships/