一瞬一瞬を大切に
Making the Moments Count
August 19, 2014
子どもの親と子どもを世話する人のための引用文集
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子どもたちと過ごす時間は、この上なく重要です。あなたはいわばステージ上にいて、望もうと望むまいと、自分の言葉や振る舞いによって、子どもに影響を及ぼし、教えているのです。ですから、親子関係においては、一緒に過ごすだけでは十分ではありません。その時間を有意義なものとするためには、質の高い時間を過ごさなければならないのです。効果的なペアレンティングには、慎重に考慮し、計画を練ることが不可欠です。…
共に質の高い時間を過ごすことは、健全で有益な親子関係を築くために、最も大切な要素の一つです。共に過ごす質の高い時間とは、家族でお祝い騒ぎをしたり、静かな夜に、娘が家で音楽の練習をするのに聞き入ったり、また熱を出した子を世話して眠れぬ夜を過ごしたり、休日に一緒に車庫を掃除したり、あるいは、熱い討論を交わして過ごす一時間かもしれません。何をするにせよ、共に過ごす質の高い時間とは、「お前を愛しているよ」「もっと近くなりたいんだ」「お前が好きだよ」「一緒にいると楽しいよ」といった、非常に重要なメッセージが伝わるものでなくてはいけません。…
一緒に過ごす時間を、定期的に予定に組んで確保することは、どの家族にも益をもたらします。‥‥一緒に過ごす質の高い時間を予定に組み始める際には、子どもたちと何か有意義なことをすることが大切です。家族のお気に入りの活動をリストアップしてみましょう。それらの活動について皆で意見を出し合い、その後、一番重要度の高いものから、低いものまでランク付けをし、優先度が高いと思われる活動を予定に組むのです。一番簡単なもの、つまり一番労力や時間がかからないものだけを予定に入れるなら、一番大切なことをやり損ねてしまうでしょう。―ケイ・クズマ博士 [1]
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私たちは、絶え間ない忙しさと慌ただしいスケジュールと、スピード化した生活という状態にすっかりはまり込んでしまい、子どもたちにとって本当に一番大切なのは、家庭を楽しく快適で幸せな場所にしてくれる、ほんのちょっとしたシンプルな物事であることを忘れてしまうことがあります。以下の質問は、あなたがその目標をどれだけよく達成しているかについて、考慮する助けとなるでしょう。
1.あなたの子どもは、何がわが家に住むことの一番素晴らしい点だと言うでしょうか? 子どもたちが自分の子どもたちとも続けていきたいと思うほど楽しい、最高の伝統的な家族行事とは何でしょう? 要するにあなたは、日々の生活の中で、子どもたちのためにどんな思い出を作ってあげていますか?
2.家族のことで一つだけ変えられることがあるとしたら、あなたの子どもたちは何を変えたいと言うでしょうか? あなたはそれを変えることができるでしょうか? 何がそれを妨げていますか?
3.最後に家族でただ一緒に座って、くすくす笑ったり、大笑いしたりしたのはいつですか? あなたの家族が[一緒に]まったく何もしないで過ごしたのはいつが最後ですか?
4.家族で楽しむためにあなたがしたいと思う、おきまりの素朴な家族行事とは何でしょう? それを書き留めておきましょう。それから家族と一緒にそれができるよう、準備しておくのです。
あなたの子どもたちが、「自分の家族で、本当に変わってほしいと思う点は何か?」と尋ねられたのを想像してみてください。それと同じ質問が、『USAウィークエンド』誌のアンケートで、6年生から12年生(高校3年生)までの8万4千人の学生に尋ねられました。ほとんどの子は、何と答えたと思いますか?(おそらくあなたの子どもさんも同じことを言うでしょうから、よく考えてみて下さい。)
結果を言えば、アンケートを受けたほぼ3分の2の学生が、もっと親と時間を過ごしたいと答えたのです。実に5人に2人以上が、母親と過ごす時間が慌ただしいと感じています。彼らが欲しいと言っているのは、単により多くの時間ではなく、もっとゆっくりとした時間なのです。何かを求められることもなく、ストレスもなしに、子どもたちがただ「楽しい」と感じられるような、そんな時間です。バタバタしてはいけません。ただくつろいで、気さくに楽しくやるのです。その様な時間こそが、家族の一体感を増してくれます。子どもたちが切実に求め、必要としているのは、あのゆったりとくつろいだ、気楽な時間でもあるのです。-ミシェル・ボーバ [2]
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あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。-マタイ 25:40
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もうしばらくすると、あなたの子どもたちは成長し、巣立って行ってしまいます。あなたは彼らが成長している過程で、必要なものを与えてよかったと思うことでしょう。‥‥だから、夜の時間に、病気の子どもを看病したり、泣きたくても微笑み、忍耐を求めて祈りながら歌ったり、小さな鼻を拭いてあげたりしながら、いつか神のために偉業を成し遂げることを夢見ているなら、あなたはすでにその偉業を成し遂げているのだということを思い出して下さい。あなたは一つの祈りも、歌も、愛情深い言葉も後悔することはありません。それら一つ一つの愛の行為が、[子どもたちに]手を伸ばし、永遠に渡ってその心に触れ続けるのです。ただ信仰によって受け止めてきた長い年月の後に、あなたはいつの日か、私がそうだったように、それが結んだ成果を目にするという祝福にあずかることでしょう。-デレックとミシェル・ブルックス [3]
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こんな言葉がある。
「私が今日することは、とても大切だ。
それに人生の一日を捧げているのだから。
明日が来れば、この日は永遠になくなり
それと取り替えたものが後に残る。
それが損失ではなく、益であるように。
悪ではなく善が、失敗ではなく成功が残るように。
自分がそのために払った代価を後悔することのないように。」
子どもを世話しているあなたがたにとって、これは二重に真実と言えるだろう。それはあなたの人生の一時間や数時間や一日というだけでなく、子どもたちの人生の一時間、数時間、一日でもあるのだから。
あなたは子どもの思いと心と人生を何で満たしているだろうか? 子どもたちが学業面でしっかり学んでいるよう確かめてさえいればいいわけではない。それにはあなたが彼らに示す愛や手本や、彼らへの接し方、振る舞い、微笑み、その他にもずっと多くの要素がかかわっているのだ。
あなたの子どもたちは、今日という日から何を得るだろうか? それは彼らの人生の基盤を、強めてくれるだろうか? あなたは子どもたちの人生にもたらされた成果や益ゆえに、自分が人生のその日を良いものと取り替えたことを、その心に知るだろうか? あなたの努力が及ぼす影響は、必ずしも目に見えるとは限らない。それが見える日もあれば、つらい思いをする日もあるだろう。そんな時には、子どもたちに目を向けなさい。あなたは人生の日々を、彼らに投資している。彼らの人生にいつまでも残る配当と引き替えに、自分の時間を、人生を、愛を、技能を与えているのだ。-イエス、預言で語る
2014年8月にアンカーに掲載。朗読:ジョン・マーク。