人生を変えるゆるし
Life-changing Forgiveness
September 23, 2019
イエスからの言葉
オーディオ・ダウンロード(英語) (7.5MB)
ゆるしは感情ではなく、選択だ。それは相手がそれに値するとか、反省しているとか、あるいは変わったからという理由で行うことではない。ゆるしをそんなにも特別で、力強いものにしているのはそこなのだ。ゆるすと決意しても、心の傷が全部なくなるわけではないが、いったんゆるすと決めるなら、それはわたしがあなたの心に働きかける許可を与えたことになる。
ゆるすことは自由への一歩ともいうべき行為であり、それによってあなたを傷つけ、他の人をも傷つけ得る、恨みという重荷から解放される。ゆるしていない事柄についての心の傷をずっと抱き続けていると、その重みがあなたを押し潰し、やがては心の健康を損ない、あなたの人生を支配するようになる。心の傷を手放すことは、あなたにできる最も難しいことの一つだが、そうすることで最大の恩恵にあずかるのは、あなた自身なのだ。
わたしは問題を解決し、他の人々の人生に働きかけ、それらを変える。そうすることは彼らの助けになるが、あなたの助けにはならない。わたしはあなたに、あなたを不当に扱った相手をゆるすよう求める。苦悩や重荷からあなたを解放したいからだ。悲しみや怒りや悲嘆を生じさせる心の傷を手放せるよう、あなたを助けたい。あなたがゆるすことを望んでいる。ゆるしこそが自由や幸福や成長への道であると知っているからだ。
わたしが拷問を受け殺された時、それは邪悪で不正な行為だった。わたしは愛と真理と優しさと健康と命と自由をもたらした。何一つ罪を犯さなかった。「父よ、彼らをおゆるしください」という言葉は、わたしが地上の人生で口にした内で最も言い難い言葉だった。[1] そのゆるしの瞬間は、意思の力による行為であり、その後解放の瞬間が訪れた。わたしはそのテストに合格したからだ。
いったんゆるすと決めたなら、あなたが取り戻せるであろう心の平安や自由が、わたしには見える。辛い経験にいつまでもこだわっていることから生じている、絶え間ない苦悩や悲しみや無力さから自分を解き放ち、わたしにそれらを委ねるなら、わたしが最善であると知っている方法でそれらを始末してあげよう。
わたしがあなたと共にいて、あなたを愛しているのだと信じなさい。過去を後に残して、信仰の目で未来を見据えると決断することによって、わたしを信頼するのだ。過去の辛い経験の記憶を、もっと他の人を理解し、より良い友や親や仕事仲間となり、より強い弟子となる助けとなるために用いなさい。そのような信仰のステップを踏むなら、わたしはあなたが望んでいる癒やしをもたらそう。
過去を捨て去る
多くの人々が他の人をゆるす妨げになっているのは、それに関わっている当人がゆるしを求めてこないか、ゆるされる必要があると思っていないか、どれだけ相手を傷つけたかに気づいていないことだ。ともするとあなたは、彼らがゆるしに値しないと考え、そのことは当然、あなたがゆるしを与える妨げになっている。
しかしながら、ゆるしとはそのようなものではない。ゆるしはあなたのためでもあるのだ。他の人をゆるすことはあなたの助けになる。
ゆるすことは、過去を捨てることにおいてあなたが踏むことのできる最大のステップだ。誰かをゆるさないなら、あなたは過去に捕らわれ、それに押し留められて、前進できなくなる。苦しみ、怒りや苦々しい思いや、恨みを抱いているのはあなた自身であり、そのような思いのすべてが、ある種の憎悪へと変化し得る。これらの気持ちはあなたを悩ませ、惨めにし、場合によると人格や他の人への接し方すら変えてしまいかねない。怒りや苦々しい思いや恨みを手放さないなら、最終的に傷つくのはあなただ。
ゆるすことにより、あなたは自分を押し留めているこれらの否定的な感情を手放すことができ、それによって前進できるようになる。しばしば、過去や過去の心の傷を修復しようと思っても、あまり多くのことはできないが、それでも他の人々をゆるすなら、あなたは癒やしを受け、それによって前進し、過去を捨て去ることができるのだ。
灰の代わりに美しさを見いだす
ゆるすことを選ぶ時、あなたは人生で出会うものすべてが、最終的には共に働いて益となるとわかっていることに、よりいち早く気づき、そこから平安を感じるようになる。人生の経験やそれを通して下す決断が、あなたを今のような人間にしているのであり、それは未来のあなたをも形成する。
損失や悲しみや困難を経験する時、それは最終的に、あなたがより良い人間に、より深みがあり、愛情深く憐れみ深い人間になるのを助ることができる。人生の辛い物事や苦悩を理解しているので、他の人たちや彼らの苦悩に同情を寄せ、彼らの気持ちを親身に思いやることができるのだ。また、これらの苦悩や困難に満ちた時期は確かに辛いが、それによって人格が形成されたからこそ、今日の自分があるのだということに、あなたは気づく。
しかしながら、心が傷ついて、恨みや苦々しい思いを抱いた時に、ゆるすことを拒むなら、その時あなたは、人生において灰の代わりに美しさを与えるという、わたしの約束の恩恵を受けることができなくなってしまう。[2] その代わりに、それとは正反対の影響が生じるのだ。それらは悪影響であり、あなたの人生において、ゆるした場合と同じような健全な実を結ぶことはない。
誰かをゆるした時、あなたは自分が悪い出来事を忘れたというわけではないが、そのことで彼らやわたしに恨みを抱き続けないと決意したと言っていることになる。わたしがあなたのために用意しているより明るい未来に向かって前進し続け、過去やそれにまつわる苦悩を手放すことを厭わない姿勢を見せているのだ。あなたはわたしと、地上の人生で経験するすべてのことが、あなたの益となるというわたしの約束に信頼している。ゆるすのが難しいことは認めているものの、ゆるすことによって、わたしが自分の人生に癒やしをもたらすことができると確信し、その癒やしを望んでいるのだ。
ゆるす気にならなくても、決まり悪く感じてはいけない。それが人間というものであり、普通は誰でもそうだ。そして最初の内は、ゆるすと言う時に自分が「口先ばかり」でそう言っていると感じたとしても、それが第一歩なのだ。喜んでゆるすと言うことによって、たとえまだ心や思いの中では、すべてのわだかまりが消えたように感じていなかったとしても、あなたは自分の人生において、喜んでわたしに癒やしのわざをおこなってもらいたいと言っていることになる。
ゆるそうと決意するという、最初の一歩を踏み出すためのもう一つの秘訣とは、過去や悪い経験のことばかり考えるのをやめることだ。物事の詳細や、その状況にどれだけ傷つけられたかを、繰り返し思い出すのをやめるよう、意識的に努めなさい。それを背後に捨てて、それを思い出し続けるという人間本来の傾向を、超自然的に変えることができるよう、わたしに助けを求めなさい。過去を背後に捨て去ることによって、あなたはゆるしという神の賜物から恩恵を受けるだろう。
他の人々をゆるすなら、わたしはあなたの傷を癒やし、あなたの状況を大いに好転させてあげよう。
初版は2008年8月 2019年9月に改訂・再版
朗読:ジョン・マーク 音楽:マイケル・ドーリー