最高に素晴らしい物語
The Greatest Story Ever Told
August 14, 2017
デービッド・ブラント・バーグ
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将来起こる出来事や登場人物や状況の概要は、聖書の中に、また、神の預言者や将来を予知する人々によって、明らかにされています。[1] 神はご自分の御言葉や預言の中でそれらについて示されてきましたが、その中にはすでに実現し成就したものもあり、それは神の言葉が真実であることを証明しています。ですから、過去の預言と同様、神の御言葉の中の将来に関する他の預言も、ことごとく成就するであろうと確信できるのです。[2]
聖書の中の、何千という預言がすでに成就しており、その中には国々の歴史や帝国の興亡についての預言もあれば、偉大な王たちの名前についての預言まであり、イスラエルという小国についての驚くべき預言もあります。とりわけ、メシアであるイエス・キリストに関しては、その誕生や生涯、またあなたや私のために死んで下さったことなど、昔の預言者たちによる何百という預言が、ことごとく成就したのです。[3]
主イエスの生涯は、愛の生涯でした! 愛の内に生まれ、愛の内に生き、あなたや私のために、愛の内に死なれたのです。それによって私たちもまた、主や他の人々のために、愛の内に生きることができるように。[4] けれども、主の物語はそこで終わったわけではありません。再びよみがえられたからです! そして、弟子たちに他にも数多くの約束を与え、将来起こるであろうことを教えた後に昇天し、雲の中に姿を消されました。天の御父と、その尊い御霊のもとに戻られたのです。[5]
地上を去る前に、主は弟子たちにこう約束されました。「あなたがたのために、場所を用意しに行く‥‥。わたしのおる所にあなたがたもおらせるためである。」 そして、こう言っておられます。「わたしの父の家には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう言っておいたであろう。」[6] 聖書の最後の書である黙示録には、主が私たちのために用意してくださる場所、すなわち天の都について、詳しく書かれています。[7]
主に愛された弟子であり、黙示録の著者でもある親愛なる聖ヨハネは、自分の預言の中でその都が、それぞれ2400キロメートルの幅と奥行きと高さを持つと語っています。それはかつて建てられた内で、最も巨大で壮大な都であり、それを建てることがおできになるのは、神ご自身だけです。その都は、様々な宝石による12の土台を持つ高さ60メートルを越す美しい壁で囲まれ、その壁には、一つ一つが巨大な真珠でできた12の門があります。そこは神を愛し、神に愛されている子どもたちのための、美しい住まいで一杯です。彼らは、イエスが自分のために十字架で死んでくださったと信じることによって救われた人々です。
彼らだけが、その都に住み、壮麗な光輝と楽園の天国的な美しさの中で暮らすことが許されています。痛みや病気や死や邪悪なものから、永遠に解放されて自由になり、主やお互いと共に、いつまでも幸せに暮らします。[8] 彼らだけが、永遠にわたって神のみもとで、見事な豪邸が立ち並ぶ、水晶のように透き通った黄金の通りを歩くことができるのです。[9]
一つ一つの門には、屈強な天使の見張り番がいます。都の外側の、水辺といえば川や湖だけで、海というものが存在しない新しい地上には、いまだに王を持つ国々が存在し、そこにはまだ、その美しい都に入る準備の整っていない人々が住んでいるからです。[10] 彼らはまだ、都の清らかさや神聖さを受け入れる備えができていません。イエスのことを一度も聞いたことがなかったため、先ずイエスを救い主として受け入れるということをしていなかったからです。[11] 彼らは恐ろしい患難期の後で、キリストの花嫁である聖徒たちの素晴らしい携挙に伴うイエス・キリストの再臨において、最初の復活の際によみがえらなかったけれど、今や復活した体を持つ善良な人々です。[12]
彼らは世界の歴史の最初の6千年間に、救われないまま死に、その後よみがえって、新たに再生された楽園のような地上に置かれました。その名前が命の書に書き留められていたため、彼らはイエスの福音を聞き、イエスの愛を知る最初のチャンスにふさわしいからです。また万物を創造し、私たちがその恩恵を受けて楽しみ、ご自分を知り、愛することができるよう、あらゆるものを造られた父なる神の、素晴らしい愛を知る最初のチャンスをもらうにふさわしいのです。
この新しい地上で、彼らは主について学び、知るようになるでしょう。[13] そしてその間、この昔のエデンの園のような、何一つ損なわれておらず、再び美しく作り替えられた、新たな地上の楽園で暮らすのです。そこは悪も、呪いも、とげも、また厄介な害虫や、毒蛇や毒虫といった、かつて呪われた地上に存在していたような恐ろしいものが一切ない、あらゆる点において完璧な世界です。[14] そのような申し分ない環境下で、彼らはイエスについて学び、キリストが神の御子であられることを知るのです。[15]
しかし、彼らがこの美しい神の楽園にたどり着くまでに、世界はその歴史上で、幾つかの重要な時期を通らなければなりません。まず、エデンの園では、人間、すなわちアダムとエバが、禁断の善悪を知る木の実を取って食べるという不従順を犯したせいで、神の恵みを失って堕落しました。[16] その後呪いや過酷な環境に満ちた、厳しい世界に追いやられた彼らは、今や自ら額に汗して得たパンを食し、生きるために懸命に働かねばならなくなりました。その不従順ゆえに主の恩寵を失ったからです。彼らは悪の王であるサタンに誘惑されて、不信仰と不従順という恐ろしい罪を、全人類に引き継がせたわけです。[17]
人間があまりに邪悪になったため、ついに神は地上に大洪水を起こして、全人類を滅ぼそうと決意されました。一人の男とその家族を除いては。それはノアとその妻、そして3人の息子とそれぞれの妻です。大洪水を経て生き残ったのは、その8人だけでした。神がノアに箱舟の造り方をお教えになり、彼らはそれに乗って、助かったのです。[18] 洪水から一年以上経つと、箱舟は現在のトルコ東端にあるアララト山の頂上に乗り上げました。そして地球の表面が乾いて、その上を歩けるようになった時、ノアとその家族と彼らが救ったすべての動物は、箱舟を離れてユーフラテス川沿いを下り、ペルシャ湾方面に散らばりました。
しかし、彼らがそれほど遠くに行って、長いこと生きる前に、人々は再び邪悪になり、今度は巨大な塔を建てて、その高慢な心や地上での権力ゆえに、自分たちが神のような存在になれるよう、その塔を天にまで届かせようと考えました! それで神はお怒りになり、彼らの言葉や言語を混乱させて、今日の地上がそうであるように、別々の言語で話すようにされました。それで彼らはもう、塔を完成させるために、互いに意思疎通を図ったり、理解し合うことができなくなりました。こうして彼らはバベルの塔の建設を中途で投げ出して、ユーフラテス川を下って放浪し、そこからさらに遠くへと、地上のあらゆる方角に散らばって行きました。[19]
そして人は、地上に増え広がるにつれ、ますます邪悪になっていくようでした。邪神や偶像を拝み、悪鬼崇拝に耽って、人間、そして自分たちの子どもを、それらの偽の神々に犠牲として捧げさえしたのです。[20]
ついに神は、最初にお造りになった二人の子孫であるこれらの人々を、何とかしなければならないと思われました。そこで、ご自分の言葉を受け取って聖書を記し、また、後にメシアであるイエス・キリストを生み出す民として、イスラエルから出たユダヤ民族を選ばれました。しかしその後再び、この選ばれた民の宗教指導者であった人たち、信仰の人アブラハムの子孫らでさえ、神の御子を十字架につけることをしたのです。彼らに愛を示し、神のことを説明するために送られた方を。また、イエスの弟子たちをも殺そうとしました。[21] しかし、神は弟子たちを祝福されたので、クリスチャンは地の表に増え広がり、ついに福音がローマ帝国を征服して、キリスト教が西洋社会の公式宗教となりました。[22]
しかし、クリスチャンが裕福で強力になり、腐敗し始めると、彼らもまた自らの神を拝むために、異教の神々を祀る神殿と同様の神殿を建てて司祭制を始め、そういった聖職者たちが、自分勝手に律法や規則や伝統を定めました。[23] そこで神はまたしても、マルチン・ルターのような偉大な神の人や改革者を世に送られました。世界中に真理をのべ伝えて、再び神の無料の贈り物である救いについて語らせるためにです。その救いは恵みにより、信仰によって得られるもので、人自身から出たものではなく、神の賜物であり、決して行いによるのではないと。それは誰も誇ることがないようにであり、むしろそれは、ゴルゴタの十字架上で流されたその血によってイエス・キリストが支払われた、救いという無料の贈り物なのであるということです。[24]
新たに興ったこれらプロテスタントのクリスチャンが、ローマ帝国中、そしてヨーロッパや南北アメリカや、当時知られていた世界の至る所に広がり始め、ついには大勢のクリスチャン宣教師たちが、異教の国々に赴くようになりました。これらの宣教師たちはそこで、神の愛によって大勢の回宗者を獲得し、彼らの多くを勝ち取って、真のメシヤであり世界の救世主であるイエス・キリストを、心から信じるに至らせました。[25]
しかしながら、罪や邪悪さは将来、地上のあらゆる国々へと、さらに急速に増え広がっていくようです。ついにこの世は、神をまったく信じない反キリスト政府と、反キリスト(アンチキリスト)である独裁者を選ぶでしょう。彼は偽メシアで、救世主のふりをしていますが、実際は悪魔の化身です! そして自分は神であるから、すべての人は自分を崇拝しなければならない、さもなければ殺すと宣言します。[26] 彼は世界政府を樹立し、自分と自分の像以外を崇拝する他の宗教を禁じます。この像は、エルサレムに再建されたユダヤ教の神殿に設置され、そこで彼は王座に就き、自分が神であると主張します。
そしてその邪悪な暴君は、自分を崇拝しないすべての人を迫害し始め、彼らを殺し、虐殺し、殉教死に至らせます。自分に反対する宗教的な国々と大規模な戦争を戦い、全世界を侵略しようとし、地上に大患難期をもたらすのです。[27]
しかし、突然大空に、人の子であられるイエス・キリストのしるしが現れ、主ご自身が雲に乗って空に姿を表されます。そして大いなる叫び声と神のラッパの音が鳴り響き、大天使たちが人々に、こう呼びかける声が聞こえます。「天の報酬を受け取って、あなたの王ととこしえに暮らすために、ここに昇ってきなさい!」
突然、それ以前に他界したクリスチャンたちが新しい天国的な体で墓からよみがえり、天に舞い上がります。その後生きているクリスチャンたちも、最後のラッパが鳴るとまたたく間に姿を変え、彼らと一緒に天に昇って主にまみえるのです。イエス・キリストが、その真の花嫁、すなわち世界中のあらゆる宗派・教派に属する真の教会である人々と、一つになるのです。[28]
彼らが素晴らしい救いを満喫し、喜び、忠実に主の御心を行ったことへの報酬を受け取っている間に、神は裁きと大いなる怒りを、大きな災いや疫病という形で、地上に残された邪悪な者たちに降り注がれます。聖書には、彼らが痛みのあまり舌を噛むけれど、なおもその邪悪な行いを改めないと書かれています。[29]
神はご自分の子どもたちを、大いなる力と超自然的な強靱さを持つ白馬に乗せられます。この聖徒や天使たちからなる強大な軍隊は、天の都を出て大空を駆け抜け、ハルマゲドンの戦いで、邪悪なアンチキリストの帝国を滅ぼします! そしてついに、善良な人々や、アンチキリストとその獣の番号に抵抗した者たちだけが残るのです。たとえ彼らがまだイエスを知らず、それ以前に救われていなかったとしても。主はそれでもなお、これらの生きている人々全員に、イエスとその愛と救いについての福音を聞く機会をお与えになるでしょう。[30]
主は天使や聖徒たちを送って地上を治めさせ、アンチキリストやその支配が残していった惨状や、人の不義のあらゆるなごりを一掃して、そこを新たな清められた世界とされるでしょう! それは同じ地球ではあるものの、表面が清められ、邪悪な者たちに下った神の呪いが取り除かれています。また、悪魔とその悪鬼たちは、地獄に千年間拘束されます。地上は再び美しく完璧な、エデンの園のような場所になるでしょう。[31] その千年間に、地球は本来の美しさや清らかさや素晴らしさや楽しさを取り戻すからです。王の王であられるイエス・キリストと、その聖徒と天使たちによって統べ治められる地上の神の御国で、すべての人が喜ぶことができるように![32]
生きている人全員に主を知り、愛し、主に従う機会が与えられるのであり、大勢が救われ、改心して生まれ変わり、義と利他的さと互いへの愛の内に、素晴らしい人生を送ります。[33]
しかし、完璧な王の王がおられるこの完璧な世界にあっても、主を拒み、主に恨みを抱き、以前と同じように自分勝手で邪悪な生き方を望む人々が、まだ大勢います。ですからその千年間の終わりにも、まだ悔い改めておらず、主を拒んで主の御心に憤慨する人々がいることでしょう。[34] そこで主は、サタンが地獄の穴から解き放たれて、その邪悪な悪鬼たちと共に再来し、地上の国々を行き巡って、可能な限り多くの人々や国々を欺くことを許されます。そしてついにサタンは、地を治める神の聖徒らに敵対して戦う大戦争において自分に追従する者たちを、あらゆる国々から呼び集めるのです。
神はまたしてもご自分の聖徒たちを地上から救い出されますが、今回はサタンとその追従者らや悪鬼らを、ことごとく永遠に討ち滅ぼして、地の表面とサタンに属するすべての反抗者らを、大いなる火によって滅ぼされます。そしてその火は、地表や周りの大気や、汚染され、がらくたで一杯の天空を、ことごとく焼き尽くすのです。[35]
その後神は地を再生し、そこをかつてなかったほど美しく完璧な、新たな地へと、完全に作り替えられます。[36]
いったん地上が清められ、再び完璧な場所になったなら、主はご自分の美しい天の都が、天から地上に降り立つようにしても良いと思われるでしょう。この新たな地上において、ご自分の愛する人々の永遠の住まいとなる、新しいエルサレムである天の都で、彼らとともに住まうことができるようにです。[37]
神はその大いなる白い御座の裁きにおいて、かつて地上で死んだすべての人々を生き返らせ、邪悪な者たちを地獄に送り、正しい人々が地上に住むことを許可されます。彼らもまた、ご自分とその愛について、そして御子イエスやその素晴らしい罪からの救いについて学び、救われるように。[38]
そして救われた天国と地上の人々全員が、主とその天使たちと共に、新たにされた地と神の都という美しい楽園で、永遠の命と愛をもって、いつまでも幸せに暮らすのです。[39]
以上が、神と地球、人類の歴史と、地上の人による支配の終焉と、至福千年と呼ばれる千年間に興る神の御国と、地球の表面や大気や、そこにあるすべての汚染や邪悪なものが、最終的に火の洪水によって滅ぼされ、その後それが神とその子どもたちと新しい天の都のために、永遠に新しく作り替えられる様を、ごく簡潔に述べた物語です。
しかし、神の子どもたちについての詳細や、彼らがこれらの時期のどこかで実際に何を経験するかについて、まだはっきりと分かっていない部分も沢山あります。これらの秘密の幾つかや、私たちが来るべき素晴らしい世界で実際に経験し、感じ、見るであろう経験の数々は、まだ明かされていないのです。[40]
初版は1985年。2017年8月に改訂・再版。
朗読:ルーベン・ルチェフスキー。
1 エペソ 1:9; イザヤ 42:9; 民数 12:6.
2 歴代下 20:20b; ヨハネ 16:4a; イザヤ 34:16, 40:8; エゼキエル 33:33.
3 イザヤ 44:28; ダニエル 8:20–21; イザヤ 9:6; 11:1–5; 53:2–4.
4 ヨハネ 3:16; 1 ヨハネ 4:9–10; エペソ 3:19; ローマ 8:38–39; 1 ヨハネ 3:16.
5 マタイ 28:1–7, 18–20; マルコ 16:16–18; ヨハネ 11:25, 26.
6 ヨハネ 14:2–3.
7 黙示録 21–22.
8 黙示録 21:4; 22:5,14.
9 黙示録 21:24, 27.
10 黙示録 21:24–26.
11 ヨハネ 1:12; 3:16–17; 使徒 4:12; 10:35; ローマ 6:23; ヘブル 11:13, 16.
12 1 テサロニケ 4:16–17; 黙示録 20:4–5.
13 2 ペテロ 3:9; 1 テモテ 2:4; ピリピ 2:10–11; ヘブル 13:14.
14 黙示録 22:3.
15 ヨハネ 14:3; 1 コリント 2:9–10.
16 創世記 3; ローマ 5:12–14.
17 創世記 3:19; ヘブル 3:12, 19; 10:35–39; ローマ 5:12.
18 創世記 7; 1 ペテロ 3:20.
19 創世記 8, 11:1–9.
20 レビ 18:21; 列王下 17:14–17; エレミヤ 32:35; 詩篇 106:35–39.
21 マタイ 27:17–25; 使徒 8:1.
22 使徒 8:4; 28:30–31.
23 使徒 7:48–50; 17:24–25; マルコ 7:6–13.
24 ローマ 10:9–10; エペソ 2:8–9; 2 テモテ 1:9; テトス 3:5; 黙示録 3:20.
25 ヨハネ 14:6; 使徒 10:34–35.
26 2 テサロニケ 2:3–4.
27 マタイ 24:15, 21; ダニエル 11:31–37; 黙示録 12:13–17, 13:6–7.
28 マタイ 24:29–31; 1 コリント 15:51–52; 1 テサロニケ 4:16–17.
29 黙示録 19:6–9; 黙示録 15–16; イザヤ 13:11–13.
30 黙示録 19:11–21; 2 ペテロ 3:9; 1 テモテ 2:4; ピリピ 2:10–11.
31 黙示録 20:1–4.
32 黙示録 2:26–27; 黙示録 5:10, 20:4.
33 2 コリント 5:17.
34 イザヤ 26:10.
35 黙示録 20:7–10; 2 ペテロ 3:10–13.
36 黙示録 21:1–5; イザヤ 60:19–22, 65:17–25.
37 黙示録 21:2; ヘブル 12:22–23.
38 ヨハネ 10:16, 27–29; 使徒 3:21; 2 コリント 5:19; エペソ 1:10; 2:7.
39 黙示録 22:3–5.
40 申命記 29:29; 1 コリント 13:12.