善を促進する力:職業倫理
Force for Good:
Professional Work Ethic
June 16, 2013
ピーター・アムステルダム
世界に手を差し伸べるというミッションや、他の人たちとのネットワークやコラボレーションをうまくいかせるつもりなら、プロフェッショナリズムが大切になってきます。
プロフェッショナリズムや倫理的基準は、信頼性や、人々との信頼関係を築く基盤となります。
ウエブスター英語百科事典では、プロフェッショナリズム(professionalism)を、「高度に訓練された専門家として求められるスキルや能力、性格」また「専門的職業の特性、精神、やり方」と定義しています。実践ややり方、スキル、能力におけるプロフェッショナリズムは、他の人たちとのネットワークやコラボレーションのために大切な資質です。プロフェッショナリズムのレベルを一つ上に上げるには、時間と努力を注ぎ込み、学び、視野を広げ、スキルを発達させようという意欲が必要とされるでしょう。
真の意味でのプロフェッショナリズムは、あなたの手のなし得ることを最善を尽くしてなすことだ。[1] つまり、最低限や生半可な仕事ではなく、優れた仕事をしたいという願望を持っているということだ。プロフェッショナリズムとは、優れた職業倫理を持つことであり、それは、[ミッション活動]に対して、まあまあの取り組みをすることで満足するのではなく、自分の最善を尽くすという決意に現れる。—イエス、預言で語る[2]
何らかの法人組織の責任を受け持つ時には、プロフェッショナルなビジネスのやり方を取り入れることや、組織の運営が咎めを受けることのないものであるよう確かめることが欠かせません。多くの場合、そうした組織を設立する場合には、地元の弁護士[日本では内容によって司法書士や税理士]や会計士、政府機関などから法的カウンセルを求めるのが賢明でしょう。組織の会計や基金の運用法が、そのような活動に関する要求事項すべてに沿っており、国の商法や労働法などを守っていることを確実にするには、そのような助けを引き続き受けることが必要かもしれません。
このトピックについては、数年前にも触れました。
コラボレーションの世界に入る時には、非プロフェッショナルで、計画性のない、「行き当たりばったり」のやり方は捨てなければなりません。人は誰でも間違いをするし、完璧な人などいませんが、この世は、たとえ何をしようが、どんなに物事を台無しにしようが、愛され、ゆるされ、もう一度チャンスを与えられるような「無条件の愛」を基盤に動いてはいません。あなたに信頼性がないか、コンタクトに恥をかかせ、プロフェッショナリズムや計画性がないためにパートナーの評判が落ちるなら、その人はもうあなたとコラボレーションをしたいとは思わないでしょう。
人々はたいてい、成功の階段を登るために一生懸命働かなくてはなりません。普通は、献身、研究、ハードワーク、犠牲、厳しい自己鍛錬を通して今の地位を確保しました。ですから、あなたにもそれと同じことを期待してくるのです。
成功した人にとって優れた労働倫理は極めて大切です。元々それが簡単にできる人もいれば、そうでない人もいますが、これは性格的なものではありません。優れた労働倫理とは、自己鍛錬と同じく、身につけ、磨くべき資質です。コラボレーションをするつもりなら、自分の労働倫理観を正直に、かつ厳しく評価してみることです。それが、優れた労働倫理観を持ち、あなたにも同じレベルを期待する人の厳しい目に耐えうるものかどうかを考えてみるべきでしょう。
優れた労働倫理は、主を代表する者としてのテスティモニーの一部であり、愛の一部でもあります。中には、愛の現れとして、私たちのハードワークや誠実さ、また、相手の人についてや、その人の興味に関心を持つこと、そうするためには必要とあれば格別な努力を払うこともいとわない、という態度を見なければ、納得しない人もいます。[3]
ほとんどとは言わなくとも、多くのプロジェクトやプログラムを適切に成し遂げ、関わる人たちの期待に応えるためには、事前に準備し、練り、祈り、リサーチし、集中した時間を投資することがかなり必要とされます。他の人たちとのネットワーキングを増やし、公に注目されることに取り組んでいるなら、 慈善活動、慈善プログラムやセミナーなどに対する期待も高いことに気づくでしょう。何が期待されるかについてまず調べ、それから、イベントやプロジェクトやプログラムの前に時間をつぎ込み、準備して、その活動がプロフェッショナルな期待に添うことを確かめるよう努力する必要が出てくるでしょう。これは、誠実さの大切な一部でもあります。約束したものを届け、期待に応え、出来れば期待以上のことをするのです。
事前準備は、優れた製品やサービスを届けることの主要な側面です。たいがい、プログラムを作ったり、イベントを催すにはかなりの計画を要するし、しっかり考え抜き、必要なものを届けることを確かめるために時間をかけなければなりません。コースを受け、専門家のやり方をリサーチし、あなたがかかわっているタイプのプロジェクトを専門としている人や団体によるセミナーに行って、彼らから学び、あなたの専門分野でさらに訓練を受け、もっとプロフェッショナルになるために、あらゆるリソースを役立てることもまた助けになるでしょう。
私たちは世俗の事業や会社ではありません。しかし、事業や会社をうまくいかせ、成功させる原則の幾つかをどう適用するかを学んできたのであり、これからも学んでいきます。神の仕事、神の『会社』を成功させるには、それをする上でプロフェッショナルでなければならないことを私たちは学びました。
プロフェッショナルであることの大きな部分は、組織立てることです。具体的に言えば、優れた運営、効率的なスケジュール、先を見越した計画、自己管理、確固たる計画を持つこと、効率的な体制をもって働くこと、などなどです。
今日の世界は、昔とは異なり、テクノロジーがどんどん発展しており、期待も高くなっています。人々は、聖書が終わりの時について予告している通り、「あちこちと」忙しく走り回っています。[4] 主が私たちから真理を分かち合ってほしいと思っておられる相手のペースに合わせ、まず何より彼らに会うためにも、私たちのほうが効率的に賢く働かなければなりません。
私たちは、することの内容と方法の両方において組織立てる必要があります。効率化においては組織立てることが大きな部分を占めますが、そういった効率化が現在注目されており、主のための奉仕にあってプロフェッショナルでいるには、時代についていく必要があります。組織立ててあれば、先のことを考え、前もって計画し、前もってスケジュールを組むようになります。
今日の世界の人々は、私たちの体裁がプロフェッショナルでないなら、私たちの提供するものに興味を持たないことでしょう。また、彼らが信頼できて、尊敬できると感じる人、ミッションやゴールや計画を持っていると感じる人からのものでなければ、興味を持たないのです。
顧客サービス
正直さ、誠実さ、透明性、信用性、信頼性など、善を促進する力となるために必要な資質について話してきましたが、他の人との関係を築く上で、これらの資質を反映するもう一つの鍵となる要素は、ビジネス界で「顧客サービス」とか「顧客関係」と呼ばれるものです。これは、私たちの多くがもっとプロフェッショナルになるために成長する余地がある分野でしょう。ミッション活動やアウトリーチやフォローアップ、ネットワーキング、他の人たちとのコラボレーションにおいて私たちに役立つ概念です。
優れた顧客関係の概念をミッション活動に適用すると良い方法は多々あります。時間の厳守やメールへの素早い返答もそうですし、人々の問い合わせや苦情に丁寧に対応すること、コラボレーションやネットワーキングのイベントで自分たちの責任をプロフェッショナルに勤勉にこなすこと、相手への約束を果たすこと、物事を組織立てること、効率良くコミュニケーションをすることもそうです。
目に見える、人々の人生に触れるような形で、イエスの愛をもって人々に手を伸ばすという私たちの「事業」において、優れた顧客関係があるなら、 「顧客」は、自分たちに対する気配りや素早い反応の内に、心からの気遣いや誠実さを見ることができます。それは、私たちが分かち合う福音や、彼らへの神の愛や気遣いの、目に見える見本となるのです。
時勢に合わせる
最後になりますが、職業倫理のもう一つの鍵となる要素は、いわば時勢に合わせるということです。昨日のプロフェッショナリズムは、今日では不適切かもしれません。サービスや質の基準について最新のものを知り、それに達するよう最善を尽くすのは助けになります。もちろん、宗教系のボランティア団体として、サービスから利益を上げる企業や会社と同じことは期待されないでしょうが、教会や宗教団体、非営利団体、ボランティア団体であっても、あなたのミッション活動や人間関係構築に関連するプロフェッショナルな基準について、その国その国で期待されている点があるものです。
時は移り変わるし、それは、あらゆる職業や分野でも同じです。この世界は不変ではなく、世界の人の必要も不変ではありません。あなたがプロフェッショナルならば、常に新しいアイデアや、人々に手を差し伸べるための新しい方法、新しい製品、満たすべき新しい必要や需要に敏感でいて、それを歓迎するはずです。[5]
2011年1月初版。2013年6月一部抜粋、再版。
朗読:サイモン・ピーターソン。