人生のカフェイン
The Caffeine of Life
May 15, 2018
引用文集
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主よ、あなたの甘美な香りは、世界中に知られています。あなたはその聖なる芳香を、後に残して行かれました。あなたは、無数の香りで私たちを楽しませて下さいます。ジャスミンやジンジャーやマグノリアの芳香。切り出されたばかりの木材の匂い。焼きたてのパンの香り。ひんやりとしたオーク樽の中で熟成されたワインの熟成香。部屋中に漂うリンゴの香り。挽き立てのコーヒーのアロマ。暖炉で燃える薪の香り。オレンジの花やユーカリの芳香。様々な香辛料の香り。花咲くエニシダの放つ香り。藁の甘い香り。浜風が運ぶ海の匂い。魂を喜びであふれさせる、松の木の香り。私たちの人生を喜びで満たしてくれる、無数の香りを通して、あなたはご自分の存在のなごりを、この世に残して行かれたのです。
サプライズというカフェイン
人生には、サプライズや変更や、移行や変化といったカフェインがつきものです。降格されたり、家を出たり、誰かと別れて別の人と一緒になったり、出世したりといった、ありとあらゆる変動が。喜ばしい変化もあれば、そうでないものもあります。そして、珍しく物事が落ち着いてきたと思えるような時期には、用心しましょう。‥‥
カフェイン抜きの人生を求めても、無理な話です。弟子たちもそうでした。
「わたしは去って行く。」[1]
イエスがそう言われた時に、彼らが受けた衝撃を、考えてもみて下さい。主は過ぎ越しの祭りの夜に、彼らに語られました。木曜の夕べに、階上の部屋で。キリストとその友人たちは、混乱に満ちた週の只中に、ゆったりと夕食を楽しんだばかりです。彼らが楽観的になっていたのも、不思議はありません。イエスの人気はうなぎ登りで、好機も増えていました。3年という短い期間で、民衆はキリストを大いにもてはやすようになり、‥‥今や主は、平民の希望たる存在でした。
弟子たちは王国について弁舌巧みに語り、敵に火の雨を降らせると息巻いて、キリスト閣僚の地位を巡って言い争っていました。彼らはイスラエルが、かつての栄華を取り戻す様を思い描いていました。もはやローマに占領されることも、他国に制圧されることもないのだと。これは自由への行進であり、イエスがそれを先導しておられるのだと。
それが今やどうでしょう? イエスがこう言われたのです。「わたしは去って行く。」 その告知に、彼らは唖然としました。イエスが「わたしがどこに行くのか、その道はあなたがたにわかっている」と語られると、トマスは激しく憤って答えました。「いいえ主よ、どこへおいでになるのか、私たちにはさっぱりわかりません。どうしてその道がわかるでしょう。」[2]
キリストは弟子たちに、大きな転換という杯を手渡され、彼らはそれをつき返そうとしました。私たちでも、同じことをするのではありませんか? しかし、誰に拒めるでしょう? 人生をサプライズなしに通り抜けることのできる人など、いるでしょうか?‥‥
変化によって、私たちの人生はひっくり返ってしまいますが、そんな時に神は、私たちがはね飛ばされてしまわぬよう、特別な誰かを送って下さいます。その死の少し前に、イエスは信者たちにこう約束されました。「父がわたしの代わりとして送られる助け主、すなわち聖霊は、すべてを教え、わたしがあなたがたに話したことを、残らず思い起こさせるであろう。わたしは贈り物をあなたがたに残していく。心と思いの平安という贈り物を。わたしが与える平安は、世が与えることのできない贈り物だ。だからあなたがたは心を騒がせるな、また怖じけるな。」 [3]—マックス・ルケード
一杯のコーヒー
一日は、神で始めるのが一番だと思います。主はまるで、おいしい一杯のコーヒーのようです。わたしはその香りを深く吸い込み、それをじっくりと味わい、寒い朝にその温かさを楽しみ、そのおいしさを、一日の原動力とします。おかげで朝起きるのが楽しみになり、その幸せな思い出を、一日中かみしめているのです。
神で休日を始めるなら、神がそばについていて下さり、祈りを聞いて答えて下さると確信できます。そのように安心していられるのは、素晴らしいことです。ちょうど夫に、「何かが起こるか、必要なものがあれば、電話するんだよ。今晩会うのが楽しみだ。愛しているよ」と言われると、とても嬉しくなるように。神が私と一日を過ごし、何が起こっても助けると約束して下さるなら、本当にそうして下さると信頼できます。神はこの上なく紳士的なお方であられ、決して約束を破られることはありません。神は言われます。「わたしは、わたしを愛する者を愛する、わたしをせつに求める者は、わたしに出会う。」 そして、「わたし自身が一緒に行くであろう。そしてあなたに安息を与えるであろう。」[4]
朝一番に神を尋ね求めるなら、神の存在感が一日中続いて、神との近しさや、最大限の成果を上げることができるよう、思考や行動を導いて下さる神の能力を、もっと意識するようになります。すでにつながりができているので、その後は一日中、神に思いを留めておくことが、より容易になるのです。
一日のあらゆるせわしなさが、心にどっと押し寄せる前の、静かな朝の時間は、耳や魂にささやきかける神の御声を聞くのに、最適なタイミングです。神は私たちが、祈りを通じて語りかけることを、大いに好まれますが、同時に、喜んでそれに答えたいとも願っておられます。神は平安と共に、知恵や、霊感や、アイデアも与えて下さいます。実際的な導きや、霊的な洞察や、あるいはただ心の平安など、一日を乗り越えるために何を必要としているのであれ、神を尋ね求め、神に聞き、神を知るために時間を割くことは、それだけの価値があります。—マレシャ・ヴォーン
2018年5月にアンカーに掲載 朗読:ジェイソン・ローレンス
音楽:マイケル・ドーリー