いと近き助け
A Very Present Help
January 10, 2023
引用文集
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神はわれらの〈力強く、侵入されることのない〉逃れ場、また、力である。苦難の時のいと近き助けであり、また、必ず助けると証明されている方である。—詩篇46:1 英語詳訳聖書
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クリスチャンなら、人生の困難を免除してもらっていいはずだと考える人もいますが、そうはいかないものです。信仰があるのだから、問題や悩みや苦しみから守られているべきだと期待しているなら、何かがうまくいかない時に、間違った被害者意識が生まれて、「世の中で、私ほど辛い目にあっている人はいない」などと思ってしまいかねません。
そんなふうに感じる時には、他の人たちが(クリスチャンであるなしに関わらず)どれほどのものを耐え忍んでいるかを見ると助けになることもあります。物質的・身体的に、今のあなたより恵まれているように思える人もいるでしょう。しかし、必要最低限のものにも事欠くというように、重要な面であなた以上に困難を抱えている人たちもたくさんいるのです。
クリスチャンも、他の人と同じような悩みに直面し、様々な問題を抱えますが、通常は、それには良い理由があり、見えないところで神の計画が進行中であるということを、神の言葉から理解することができます。たとえ、すぐに何らかの益が見られなかったとしても、試練は私たちに教訓を与え、強めてくれる可能性を秘めています。それが分かるなら、困難に耐えるのがもう少し楽になることでしょう。
病気のせいで、あるいは雇い主が気難しかったり、仕事が嫌いだったりという理由で、何年間も悩み苦しむことがあります。また、クリスチャンであってもそうでなくても、自分の信念のゆえに、人からバカにされ、いじめられ、批判され、拒絶され、さらにはあからさまに迫害されることもあります。クリスチャンは、多くの場合、困難でさえ私たちを助ける役割があるということを理解できますが、そうでない人には、自分の苦しみの意味を理解するのを助けてくれる救い主からの慰めがありません。私たちにも多くの困難があるかもしれませんが、信仰から来る目的意識なしに人生に直面する大勢の人と比べるなら、私たちの人生は比較的楽に思えることでしょう。
私たちは困難から学び成長します。悩みがあることで、私たちはもっと忍耐を持つこと、頑張って持ちこたえること、神の約束にしがみつき、「キリスト・イエスの良い兵卒として…苦しみを」耐え忍ぶことを学べます。(2テモテ2:3) 一日、一週間、一ヶ月だけではなく、長い年月に渡って耐え忍ぶことを学べるのです。
聖書にはこうあります。「試錬を耐え忍ぶ人は、さいわいである。」(ヤコブ1:12) 「神の御旨を行って約束のものを受けるため、[苦難の時に]あなたがたに必要なのは、忍耐である。」(ヘブル10:36)
パウロは、こうまで言いました。「患難をも喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、忍耐は錬達を生み出し、錬達は希望を生み出すことを、知っているからである。」(ローマ5:3–4)
物事がうまくいかず、落ち込んでしまい、もう進み続けることなどできないと感じる時期が長く続くこともあるでしょう。しかし、そういう時にこそ、神の言葉にある事実にしがみつかなければなりません。私たちがどんな気分の時でも、神は私たちをなおも愛し、気づかってくださるという事実に。何もかもが自分に不利な方向に進んだり、物事がうまくいかなかったりするように思える時でさえ、最後には善が勝ち、イエスが勝利すると信じることができるのです。—マリア・フォンテーン
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これを読んでいる人の中には、たった今、自分の人生に葛藤や混乱が起きているという人がいるかもしれません。仕事を失ったばかりの人もいれば、大切な誰かとの関係が崩壊しそうな人もいるでしょう。また、愛する人が死んで辛いという人や、いきなり襲ってきた健康上の問題に対処している人もいることでしょう。
皆さんに良い知らせがあります。…あなたが打ちひしがれた時、神はあなたを祝福されたいのです。
聖書の伝道の書3章1節と4節には、こうあります。「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。…泣くに時があり、笑うに時があり、悲しむに時があり、踊るに時があり…。」 つまり、相反することが繰り返し起こっていくのが人生なのです。聖書は、泣いていい時があると述べています。悲しんでいい時や、嘆いていい時があると。…
詩篇34篇18節には、こうあります。「主は心の砕けた者に近く、 たましいの悔いくずおれた者を救われる。」 神は心の打ち砕かれた人に近いのです。神は心を配ってくださいます。遠くにおられるのではありません。あなたのすぐそばにおられるし、神の民を離れることも見捨てることもありません。…
聖書には、神が泣かれると書いてあります。つまり、神は苦悩する神であり、共感する神だということです。無関心でも無気力でもありません。傍観してもいません。私たちと共に苦しんでおられます。…
苦悩には目的があり、それゆえに救済もあります。…聖書は、第2コリント1章4節で、このように教えています。「神は、いかなる患難の中にいる時でもわたしたちを慰めて下さり、また、わたしたち自身も、神に慰めていただくその慰めをもって、あらゆる患難の中にある人々を慰めることができるようにして下さるのである。」
あなたの最大の宣教は、あなたの最も深い傷から生まれます。私たちが繁栄をどう扱うかで、世界が感銘を受けると思いがちですが、実際には、逆境にどう対処するかが感銘を与えるものなのです。成功することが、証人としての信頼につながると思いがちですが、神は、私たちの苦しみこそが、私たちの信頼性を高めると言われます。—リック・ウォレン [1]
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神は私たち一人ひとりのために計画を持っておられます。そしてさらに、私たちの歩みを導き、私たちと共にその計画を実現したいと思っておられるのです。
「心をつくして主に信頼せよ、自分の知識にたよってはならない。すべての道で主を認めよ、そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」(箴言3:5–6) けれどもそれは、すべてが楽々と自分の思い通りに物事が運ぶという意味ではありません。それどころか、神があなたの道にもたらされるものすべてが大変に感じられ、神の計画に従おうとすると余計に物事が困難になるように思えることもあるでしょう。神はいったい、過度な要求をされることがあるのでしょうか。私たちには、そんなふうに思えることもあります。
神は私たちに最善のものを与えたいと望んでおられますが、多くの場合、それを与える手段として、私たちに試練と勝利、喜びと痛みの両方を経験させます。ある状況や出来事が、私たちの目には良いものに見えなくても、神は私たちが直面するどんな状況をも働かせて、私たちの益とし、ご自分の計画を推し進めるようにしてくださいます。神は私たちよりもずっと先を見ておられるので、神の計画は私たちの計画よりも優れており、より完全なのです。(イザヤ55:8–9)
預言者エレミヤの時代、イスラエル人は戦争に敗れて散らされ、捕囚となりました。彼らはおそらく、自分たち民族に対する神の計画はどうなってしまったのかといぶかしんだことでしょう。神は、強情さに対する罰として、彼らが70年の間、捕囚状態になると説明されました。これは喜ばしい知らせには思えませんが、それでも神は、彼らのための計画は実現すると確約されたのです。「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。」(エレミヤ29:11)
ですから、もしあなたが似たような状況にいて、途方に暮れ、自分の人生のための神の計画はどうなってしまったのかといぶかしんでいるとしても、落胆してはいけません。神の計画は決して失敗することがないのですから。そして神は、私たちのうちに始められた良いわざを完成させるため、私たちのために働くことを投げ出したりされないのです。—アレックス・ピーターソン
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私は、苦難の時のいと近き助けであり、また、あなたたちを必ず助けることが証明されている。私の臨在はいつもあなたと共にあるが、苦悩の時、私はまさにすぐ側にいるのだ。あなたは王である私の家族の一員であり、私の天の王国の市民なのだから、あなたの世話をすると約束する。ストレス状態にあると、動悸が激しくなり、アドレナリン値が急上昇する場合があり、そうした生理学的な変化は、あなたが私の臨在に気づくのを妨げることもある。だから、そのような時には、こう自分に言い聞かせることが大切だ。「イエスは、ここで私と共におられる。それどころか、この大変な状況にあって、私の『いと近き』存在でいてくださる。」 それから、ゆっくりと深呼吸をし、十分にリラックスして、私とつながり、私から力を引き出しなさい。
聖書を見ると、歴史上、苦難の時に私が誠実であった例が数多く記されている。また、現在の出来事も含め、世界の歴史を見ると、そこにも、私の力強い臨在の証拠が数多く見られる。そういったことは、世俗のニュースでは報道されないが、私はあなたのいる世界で奇跡を起こし続けているのだ。さらに、あなた自身の人生を振り返ってみれば、苦難の時に私があなたの必要を満たした例がたくさんあるはずだ。私は「必ず助けると証明されている」ので、あなたは今、私があなたを助けると信じて良いのだ。—イエス [2]
2023年1月アンカーに掲載 朗読:ルーベン・ルチェフスキー 音楽:ジョン・リッスン
2 Sarah Young, Jesus Today (Thomas Nelson, 2012).