親切な行いを実行する

引用文集

互いに親切にし、憐れみの心で接し、神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、赦し合いなさい。—エペソ 4:32 [1]

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ウェブスター辞典では、「親切（kind）」という言葉の意味を、同情的、優しい、善意ある、と定義しています。エペソ4:32がゆるしと親切さを結びつけているだけでなく、詩篇86:5にも、「主よ、あなたは恵み深く、お赦しになる方。あなたを呼ぶ者に豊かな慈しみをお与えになります」（新共同訳）とあります。ゆるしは防御的な態度からよりも、親切な態度からの方がずっと湧き出やすいものです。

私たちは脅かされていると感じると、おのずと防御的になります。防御的態度を親切さに替えるというのは、再び他人につけこまれることに対して無防備になるということです。だから、親切になるのは時としてとても難しいのです。それには、タフになるのではなく優しくなるという能力を要します。強い人でなければ優しくなれません。そして、時に私たちは強く感じないものです。しかし、私たちは聖句により、親切になるよう求められているので、強さも約束されています。詩篇28:7にはこうあります。「主はわが力、わが盾。わたしの心は主に寄り頼む。わたしは助けを得たので、わたしの心は大いに喜び、歌をもって主をほめたたえる。」—ノーマン・ライト、レックス・ジョンソン共著 [2]

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私たちは相手のことがわかっていると思っていますが、背後で何が起こっているか本当にわかっているわけではないのです。あなたが完璧に冷静だと思っている母親も、精神的に参っていて、そのことについて話すことなど全然できないのかもしれません。でも、私たちには何ができるのでしょう？　どうやって助けてあげればいいのでしょう？

私たちは何かができます。こんな感じで何かを変えることができるのです。

買い物を終えて何とか正気を保ったままテスコ（訳注：イギリスのスーパーマーケット）から出て行く母親を見かけたなら、ためらわずに、「お疲れ様！　買い物お上手ね」とでも声をかけてはどうでしょう。

逆に、スーパーで泣き叫ぶ子どもを連れた母親がいたら（あなたにも同じ経験がありますよね）、優しくほほえみ、「うちの子も同じだったわ。心配しないで」といった意味の言葉をかけてはどうでしょう。きっと彼女がその辛い場面を生き抜くための、大きな助けとなるのではないでしょうか。見知らぬ人からの思いがけない励ましの言葉は、よく知っている人からの褒め言葉と同じぐらい大切だというのが私の持論です。そして、これを覚えていて下さい。私たちは最もきちんとしているかのように装った表情の下で何が起こっているかを知らないのです。

私たちは皆、それぞれ自分の戦いを戦っています。そして、互いの荷を軽くしてあげることができるはずなのです。きっとあなたは色々な理由で尊敬している母親のことを何人も思いつくはずですが、相手はそのことを知っていますか？　もしかしたらあなたが自分の内面と彼女の外面を比べている間、彼女もそれと同じことをしていて、彼女も自分の方が劣っていると思っているのではないですか？

というわけで、皆さんに宿題を出しましょう。外の世界に出て行って、今日、「母親に親切を」を実践して下さい。—レイチェル [3]

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疲れ果てた道を明るくするには
ほんの少しの同情が必要なだけ
少しの親切が
陰鬱な日を明るくすることがある
ごく単純で親切な言葉で
希望と強さが分かち合え
わかっているわという微笑みだけで
誰かの折れそうな心が元気になる
そして突然差し込んだ陽光のように
暗い部屋に光をともせば
明るい心が
憂鬱さのどん底をもパッと朗らかにする
—エリザベス・ハッデン

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スティーブン・グレレットは1855年にニュージャージーで亡くなった、フランス生まれのクエーカー教徒です。彼の不朽の名作となった二、三行の文章がなければ、グレレットは現代世界では無名の存在となっていたことでしょう。多くの人への励みとなってきた、その有名な言葉とは、これです。

「ただ一度しかないこの人生、私にできる親切な行いがあるならば、後にではなく、今できますように。人生のこの道を通るのは一度きりなのですから。」—The Speaker's Quote Book

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愛を与えることは、愛を分け合うことだ。愛は愛を生む。親切は親切を生む。憐れみは憐れみを生む。そのように、互いに愛を与え合うことは、互いに愛を与え合うことを生む。それは仕切りの壁を壊し、団結と愛と互いへの憐れみをもたらす。それらの壁を壊すために自分の分を果たすなら、団結と一体感と愛による互いとの絆と共に、わたしの愛がお互いへと惜しみなく流れるだろう。—イエス、預言で語る

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イラクへ行っていたあるアメリカ兵が、帰国した際に軍から勧められて、マインドフルネス・ストレス低減法（MBSR）コースを受けていました。彼はすぐ怒るという弱さがあり、他人に対してひどく批判的でした。コースを受け始めて数週間後、彼は「愛に満ちた親切」の瞑想で、標準的な訓練を身につけ始めました。この瞑想では、自分と他の人たちに何度も繰り返し善意を送る練習をするのです。

ある日、彼は地元のマーケットで幾つかの物を買うために、急ぎ客専用のレジの列に並んでいました。前にいる女性のカートの中には12個以上の物があり、その上彼女はレジ係に赤ん坊を見せていました。するとレジ係もベラベラおしゃべりを始め、赤ん坊を抱いたのです。レジ係は彼の前にいる女性と話すのに、かなりの時間をかけていました。彼は思いました。「何てこった！　彼女はこの列に並ぶべきじゃないだろう。その上赤ん坊のことでぺちゃくちゃしゃべってるなんて。思ったより支払いにずいぶん時間がかかっているじゃないか。待つのは大嫌いだ。それに、ルールに従わない奴は大嫌いだ。このレジ係は何だってこんなにのろいんだ？　二人ともすぐに怒鳴りつけてやりたいぐらいだ！」

数分後にレジまでたどり着いた時、彼はその赤ん坊が確かにかわいらしいことに気づき、それをレジ係に一言いうことにしました。すると彼女はこう答えたのです。「本当に？　ありがとう。私の息子なんです。夫が最近戦争で亡くなったので、ほとんど母が赤ん坊の世話をしているの。私が息子の顔を見られるよう、毎日ここに連れて来てくれるんですよ。」 —ジャック・コーンフィールド [4]

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愛は寛容であり、愛は親切です。—1 コリント 13:4 [5]

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私たちのほとんどは、家族や友だちには感謝の気持ちを表します。けれども、それ以外にも、目に見えない大勢の人たちが私たちの生活を支えているのです。私たちが食べる食糧を収穫している労働者、食べ物を梱包する工場の従業員、私たちの町にある家を建てる大工、ゴミを回収する人、私たちの安全を守るために働く警官、病院の看護師、公共の庭園を手入れする植木屋などなど、数え上げればキリがありません。

難しいのは、一日の内で少し時間を取って、一息つき、自分の周りを見回して、目についたものが何であれ、感謝の気持ちを表すことです。それは澄んだ青空かもしれません。あなたの足のために新しい靴を作ってくれた人、iPodで流れている音楽かもしれません。親切な行いを実践するための機会に気をつけていましょう。必要に気づき、行動しましょう。小さすぎる親切はありません。それは今日のあわただしい世界で私たちが皆経験するへこみをいやすことができます。そして、いやしてくれるでしょう。—コリーン・フラナガン [6]

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しかし、御霊の実は、愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、忠実、柔和、自制であって、これらを否定する律法はない。—ガラテヤ 5:22–23

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現在のトルコにあった町ミラのニコラオス（ニコラス）は、４世紀に裕福な両親の元に生まれましたが、両親は彼がまだ子どもの頃に亡くなりました。ニコラオスは若い時に神に人生を捧げ、「あなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい」[7] というイエスの忠告に従いました。そして、自分の遺産で、困った人や苦しんでいる人たちを助けたのです。彼は後に、司教になり、愛と寛大さゆえに知られるようになりました。

彼の物語は、愛とは他の人たちを助けるために格別の努力をすること、実際的な方法で他の人たちを助け、親切をすることは、私たちが人生の道で通りがかる人たちに対する責任であることを思い起こさせてくれます。—アビ・メイ

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親切な心は庭
親切な思いは根
親切な言葉は花
親切な行いは果実

あなたの庭の手入れをし
雑草を抜きなさい
そこを陽光で満たしなさい
親切な言葉と親切な行いで
—ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー

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裏で誰かのことを話すことは、どこも悪くない。ただし、良いことを言う限りは。

もしかしたら、あなたの言ったことがその人の所に届くかもしれない。だから、これを測りとして使いなさい。本人の前で言わないようなことを、その人のいない所で言わないこと。これは偽善ではない。それは、他の人たちの間違いや弱さを、あなたが自分だったらそのように扱ってもらいたいと思うような方法で扱うことなのだ。

時々、誰かの問題について話さなければならないこともあるだろう。特に、あなたが監督者であるなら。しかし、あなたはいつだって尊敬の念を込めた言い方や、相手の人がその人に対して持つ評価を下げない言い方ができる。ネガティブなことを言わなければならない時には、何かポジティブなことも言ってバランスを取るようにしなさい。（誰にでも良いところがある。）　また、その人の問題について話し合っている理由は、その人がもっと良くなれるよう変わるのを助けるためであるのを思い出すなら、話し合いはもっとポジティブな調子になり、あなたはポジティブな変化というゴールに達しやすくなるだろう。

そして、これを知っているだろうか？　あなたが他の人に示す親切と思いやりはいずれあなたの所に返ってくる。それが霊の法則であり、自然の法則と同じだけ確かだ。あなたは蒔いたものを刈り取る。すべての人を尊敬を込めて扱いなさい。そうすれば他の人からの尊敬を得られるだろう。

それだけでなく、あなたの手本もまた他の人たちにうつる。すぐに大きな結果を見ることはないかもしれないが、もしがんばり続けるなら、あなたのいる世界の一角に天国のひとかけらを創り出すことができる。それは可能であり、あなたから始めることができる。—イエス、預言で語る

2013年7月アンカーに掲載；　朗読：ブライアン・クラーク；　音楽：マイケル・ドーリー

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