マリア・フォンテーン
皆さんの中に、時折、主が遠い存在に感じる人たちがいることを、私は聞きました。神は空の上にいる偉大な神様で、昔々、一度だけ御子を犠牲にしたことで愛を示されたものの、あなたを悩ませたり、悲しませたり、混乱や恐れや絶望、孤独な気持ちにさせる色々な問題については、あなたをそれほど個人的に気にかけているはずがないと。それを聞いて、私は深く心を痛めています。
もしかしたらあなたは、主は一般的な意味であなたを愛してくれているけれど、一番の親友のように、暖かく親密に愛してくださるわけではなく、あるいはあなたに恋して生活の事細かなことにも関わりたいと望む恋人のように、あなたのことを個人的に愛してくださるはずがないと思っているのかもしれません。もしかしたらあなたは、主があなたのすべての思いや心の奥深くの願いを知った上で、一瞬足りともあなたと離れたがらず、あなたを喜ばせたいと願い、いつもあなたのことを考え、あなたの奥深くの必要を満たすには何ができるだろうと考え、あなたにどんな欠点があってもあなたの愛を揺らがせることなく、代わりにそんな欠点を見越して心の中を見てくださるとは思っていないのかもしれません。
イエスがあなたの生活のすべての側面、そしてあなただけの特別な細々とした事柄に気を配りたいなどということがどうしてあり得るのか、あなたは理解できないでいるのです。イエスはあなたの心の必要の小さなことに至るまですべてが満たされていることを確かめ、いつもあなたのそばにいて、悲しい時にはすぐに御腕に抱いて慰め、うれしい時には喜びを分かち合い、怯えている時には恐れをなだめ、あなたを混乱させている事柄について説明したいと望んでおられるのに。
ある人たちがこんな風に言うのを聞いたことがあります。「イエス様がそんなに私を愛したり、私のことを喜ぶわけがない。私は悪い人間だから。とても多くの間違いを犯した。自分の問題を克服することもできない。才能だって何もない。主のために大したこともできない。自分には何の価値もないって思う。主の仕事をするなら私よりもずっと良い人たちが大勢いるし、主はその人たちの方をずっと愛しているに違いない。」
そんなことを聞くと、いえ、そんなことを考えている人がいると知るだけでも、とても心が痛みます。イエスがどれほど一人一人を、とても深く特別に愛してくださっているかを、私は知っているからです。あなたにそれが理解できず、主がどれほどあなたを愛しているかを知らないとしたら、それこそ、私に考えられるうちで最も悲しいことの一つです。
私たちそれぞれに対する主の大きな愛は、数多くの現れ方をしています。まず、主は私たちのために死なれました。主はまた、私たち一人一人に、この日、この時代にあって主のために証しすることのできる、オーダーメイドの奉仕の場を与えてくださいました。主はあなたを呼ばれ、選ばれました。また、聖書やその他の霊感された著書には、主が与えられた素晴らしい助言や指導があります。当然、それを望む人に主が注ぎ続けておられる預言の中にも助言があり、それもまた、主が日ごとに注がれる愛の大きな現れです。さらに、主は私たち一人一人に関する細々とした事柄を助けてくださり、そこにも主は私たちの人生への愛情深い御手を現しておられます。あなたは無二の存在であり、主にとって特別であることを、主はあなたに知ってほしいのです。そして主は、他の誰とも異なる、あなたの人生のすべての詳細に至るまで、とても親密に気にかけておられます。
イエスは言われました。
「あなたがたの父の許しがなければ、その一羽（の雀）も地に落ちることはない。」1 あなたは雀よりも優れた者ではないのか？ 愛する人たちよ、求めなさい、そうすれば与えられるであろう。そして、あなたがたの喜びが満ちあふれるであろう。2 わたしはあなたの心を愛で満たしたい。言葉に尽くせぬ喜びで満たしたい。わたしはあなたを永遠の愛で愛した。そして、あなたはわたしにとって特別な人だ。3 あなたはわたしにとって大切な人。あなたはわたしのいとしい人、かけがえのない人だから。
あなたをわたしから引き離そうとする邪悪な悪魔の言うことを聞いてはいけない。わたしはあなたを愛しているのだから。来なさい。わたしの言葉の内に、わたしと共にいなさい。あなたへの愛を現してあげよう。あなたがわたしにつながっており、わたしがあなたとつながっていれば、その時にわたしの愛が現れるだろう。そして、あなたが与えるなら、自分にも与えられるであろう。4 わたしの言葉を通して、わたしの愛で心を満たしなさい。そして、わたしがあなたのために為す奇跡と、あなたのための喜び、そしてわたしからあなたへの、神秘の愛を見なさい。
*
最愛の人、わたしにはあなたの思いがわかる。あなたの心の奥底の切望も、恐れと不安も知っている。わたしはそのすべてを理解しており、そのすべてを知っている。自分の力を証明しなければと思いながら、毎日を生活しているあなたが見える。あなたは、自分の間違いや欠点や罪のせいで、わたしが遠く離れていると思っている。自分は悪すぎるので、わたしはそのことであなたを罰したがっており、あなたを無条件で愛せるはずなどないと考えている。
あなたは正しいことをしようと努めている。良くなろうとしている。他の人たちにわたしの愛を示そうとしている。それなのに、時々、わたしは遠くにいて、あなたの言うことに耳を傾けたりしないとか、わたしはあなたに語りかけたり、本当に気にかけたりしていないと感じることがある。あなたがそんな風に考えるので、わたしの心は悲しみに暮れる。それはあなたに対するわたしの本心とはかけ離れている。
あなたはわたしの愛する人。わたしはあなたにとても満足している！ そんな疑いはどうか捨てておくれ。御霊で満たされなさい。あなたはわたしにとってとても大切だし、わたしはあなたを心から愛してる。しかし、わたしの愛を体験するには、そういった嘘を拒まなければならない。嘘を追い払いなさい！ わたしが本当にあなたを愛していることを信じるというステップを踏まなければならない。
わたしはあなたの欠点を知っているが、それでもあなたを愛している。わたしはあなたの罪を知っているが、それでもあなたから遠く離れていない。あなたのすぐそばにいて、あなたを気遣っている。あなたがそれを信じず、わたしの愛を受け取らず、あなたの生活にわたしを交えない時、わたしは悲嘆に暮れる。あなたがわたしから遠く感じるのは、わたしのせいだとあなたは思っているが、そうではない。わたしはあなたを愛している。わたしは遠く離れていないと信じなさい。わたしはあなたを罰したいとは思っていない。わたしから十分良く見られようとか、わたしの愛を受けるにふさわしく感じようとして、懸命に努力しなくてもいい。たしかにふさわしくはないのだが、そんなのは関係ない。とにかく、わたしはあなたを愛している。
だから、わたしから良く思われようとするのをやめなさい。十分良くなることも、十分に良くやることも、決してできない。しかし、肝心なのはそれではない。わからないかい？ わたしはそのままのあなたを愛している。だから、そんなことは心配しなくていい。ただここにおいで。一緒に座って、語らおう。一緒に時間を過ごそう。わたしはあなたにとって光以上の存在、知られた道にまさる存在となろう。5
1995年1月初版。2012年8月更新、再版。
朗読：ベサニー・ケリー