2月 4, 2026
いかなる状況にあっても、感謝しなさい。なぜなら、それが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに望んでおられることだからである。—1テサロニケ5:18 英語ESV訳
あなたは、どんなことがあっても感謝していますか。憤慨してもしょうがない境遇にあったのに、そうしなかった人の話を聞いて下さい。
その人は、次に廊下で響く足音が、自分を処刑場へ連行する看守のものかもしれない、と知っていました。彼が横になれる場所といえば、湿っぽく狭い牢獄の冷たく硬い石の床だけです。それから1時間も経たない内に、彼は煩わしい鎖や、手首と足首に食い込む鉄製の手かせ足かせの痛みから解放されました。
彼は友から引き離され、不当な訴えを起こされ、残酷な扱いを受けてきたので、もし不平を言う権利のある人がいるとすれば、それは、過酷なローマの牢獄で、ほとんど忘れ去られた状態でいたこの人でした。しかし、彼の唇からは、不平ではなく、賛美と感謝の言葉が響き渡ったのです。
この人物は使徒パウロであり、大きな逆境のただ中にあってさえも、真に感謝するとはどういうことかを学びました。ローマで以前に投獄された時、パウロはこう書いています。「詩とさんびと霊の歌とをもって語り合い、主にむかって心からさんびの歌をうたいなさい。そしてすべてのことにつき、いつも、わたしたちの主イエス・キリストの御名によって、父なる神に感謝し …」(エペソ5:19–20)。
考えてみてください。どんな状況にあっても、すべてのことにつき、いつも感謝しなさいというのです。使徒パウロにとって、感謝は年に一度の行事(感謝祭)ではなく、日々の現実であり、それが彼の人生を変え、どんな状況でも喜びに満ちた人へと変えたのです。神の祝福すべてにつき、感謝を捧げることは、イエス・キリストを信じる者にとって最も特徴的なしるしの一つであるべきです。…
古代世界において、ツァラアトは恐ろしい病気でした。それにかかった人は無惨な姿に変えられ、社会の通常の生活から永久に切り離されたのです。例外なく、すべてのツァラアト患者が切望していたのはただ一つ、癒やされることでした。
ある日、10人のツァラアト患者が村の外でイエスに近づき、声を張り上げて癒やしを懇願しました。すると、イエスはすぐに彼ら全員を完全に治してくださったのですが、戻ってきて感謝したのは、たった1人でした。残りの者たちは、一言の感謝もなくどこかへ行ってしまい、その心にあるのは自分のことばかりで、感謝の念など微塵もなかったのです。[ルカ17:11-19]
今日でも、恩知らずで感謝しないことは、あまりにも一般的になっています。… 礼儀が軽んじられており、他の人から助けられても、それを当然のことと受け止めています。そして何より、神の祝福に感謝することを怠っているのです。…
反抗的な人類に対して聖書が告発している点の一つは、「彼らは神を知っていながら、神としてあがめず、感謝もせず」にいるということです(ローマ1:21)。感謝のない心は、神に対して冷たく、神のあわれみと愛に無関心な心であり、私たちがすべてにおいて神に依存しているということを忘れてしまった心です。
聖書の初めから終わりまで、私たちは感謝するよう命じられています。というよりも、感謝とは、神と調和した心から自然にあふれ出るものなのです。詩篇の作者は、「主に感謝して歌え」と述べました(詩篇147:7)。そしてパウロは、「感謝していなさい」と記しました(コロサイ3:15)。感謝の霊は、いつでも、喜びに満ちたクリスチャンのしるしです。—ビリー・グラハム [1]
私たち一人ひとりが、神からの愛と世話を受けています。そして、神に感謝する態度を育んでいくと、人生に対して、また人生がもたらすものすべてに対して、感謝する態度が心の内に培われます。少し手を休めて、周りを見渡してみましょう。鳥や空、景色、花、緑。さらに、私たちが人生で楽しんでいるもの、たとえば、私たちが抱いている愛や周りと分かち合う愛、子どもたち、様々な経験などに思いをめぐらしてみると、感謝できることがいっぱい見つかることでしょう。聖書に、感謝することについてたくさん書かれているのも、不思議ではありません。
感謝の心があると、持っていないものや、まだ受け取っていないものよりも、すでに持っている素晴らしいものに焦点を当てるようになります。そして、自分がとてもたくさん持っていることを認め、そのすべてに感謝し、豊かに持っているものに焦点を当てると、神からのさらなる祝福が人生に入るための扉を開くことになるのです。
私自身の人生で感謝の心を育む助けになっているのは、感謝日誌をつけることです。書きとめていくと、神が自分のためにして下さったことを思い起こすことができるので、とても気に入っています。人生における数々の喜び、答えられた祈り、勝利、自分の身内や友人の人生で主がしてくださったことをもっと考えるようになるので、神が私の人生に関わっておられることを思い、神への愛と感謝が深まります。
今では、他の人にも感謝日誌をつけるよう励ましています。日誌をつけることで、毎日がどれほど特別な日で、小さなことがどれほど素晴らしいことかに気づくことでしょう。そういったことを書き留める時間を取ると、感謝すべきことにもっと気づくし、実際に感謝するようになります。そして、それらは人生の難局に直面したときに神の恵みを思い起こさせるものとなり、将来への新たな希望を与えてくれるのです。—ピ-タ-・アムステルダム
私たちの世界では、困難や苦悩に心を奪われやすいものです。ないものねだりをしてしまい、すでに自分の人生に与えられている祝福に感謝するよりも、もっと多くを求めてしまうことがよくあります。慌ただしい日々の生活を送っていても、そうなることがあるのです。
昨年、私はまさにその状態にいました。困難な時期を乗り越えたと思ったら、今度は体調が悪化し、慢性的な痛みが生じて、うまく動けなくなったのです。感謝が湧き上がり、喜びが花開き、神の臨在を強く感じられていたあの場所に、もう私は足を踏み入れることができなくなってしまいました。
そうやって出現した新しい自分は、誇れるような姿ではありませんでした。周りの環境についても、周りの人々についても、私の目に入るのは欠点ばかりで、神は遠く感じられ、喜びは跡形もなく消え失せました。あなたにも、そんな経験はありませんか。…
感謝を実践することで、私たちの視線を欠乏から豊かさへ、絶望から希望へと、切り替えることができます。すると、困難のただ中にあっても、感謝すべきことがまだまだたくさんあると気づき始めるのです。
感謝を実践すると、私たちの心は日常生活の中にあるポジティブな側面を探し出すように鍛えられます。欠けているものや、うまく行っていないことにとらわれる代わりに、すでにあるものや、うまく行っていることに意識を向けるようになるのです。心の持ち方をこのように転換することで、満ち足りた思いが育まれ、今のこの瞬間を大切に思うようになります。…
感謝とは、私たちのもとにやってくる良いものについて、神に「ありがとうございます」と言うこと以上のものです。それは生き方そのものであり、大小を問わず、神の豊かな祝福を絶えず認識することです。思いと言葉、行動に染みわたった姿勢であり、それによって、私たちの世界観は形づくられているのです。感謝の姿勢を育むと、たとえ試練や困難のただ中にあっても、イエスが私たちの人生において働いておられる無数のしるしに気づけるようになります。
感謝を捧げることによって、私たちは神との関係を育みます。感謝の理由を探し求めるうちに、私たちの心は神の臨在と、私たちに向けられた神の愛に気づきやすくなるのです。感謝することで、自分を深く顧みておられる神から無条件に愛されているという、満ち足りた思いを抱くことができます。
どのような状況の中にも神の御手を見、痛みや不透明さの瞬間でさえ、神が私たちの益となるよう働いておられると理解できるようになるのです。この実践は、神への信頼を深め、信仰を強め、神の御心にさらに近づく助けとなります。過去の祝福を振り返るとき、神が何度も何度も私たちに必要なものを与え、私たちを守り、困難をくぐり抜けさせてくださったことを思い起こすものです。…
感謝の心を育むことは、神により近づき、より多くの喜びを見出す助けとなります。神への感謝を表すことを実践するうちに、私たちの内に聖なる空間が創り出され、神が私たちの人生に入りこんで、驚くべき御業を行うことを可能にします。感謝のレンズを通して見ると、困難のただ中にあっても、祝福が私たちの周りに溢れているのが見えてきます。この実践は、あらゆる機会に神の臨在を招き入れ、私たちの喜びを増し加えるのです。—マリー・ディー [2]
愛するイエスさま、あなたが与えてくださったこの命を感謝します。私をこの世に生まれさせてくださったこと、そして、あなたを知り、愛せるという最高の贈り物を授けてくださったことを、感謝します。私は、それを得ようと努力したり、特別なことをしたり、それに値する者となったりする必要はありませんでした。あなたが私に求めたことは、ただ、それを受け取ることでした。イエスさま、私は本当にそれに値しない者だと知っているので、ただただ感謝しています。
あなたは長年にわたって、私を困難から切り抜けさせてくださったので、そのことも感謝しています。浮き沈みもありましたが、そのすべてを通して、私はあなたを信頼することを学びました。あなたのなさることは何もかも素晴らしいということが、ようやくわかりました。私の人生の毎日、毎時間、毎分、毎秒があなたに知られているように、人生の一年一年もあなたの御手の内にあるのです。アーメン。
2025年11月アンカーに掲載 朗読:ジョン・マーク 音楽:マイケル・ドーリー
1 Billy Graham, “How to Be Thankful in All Things,” BGEA website, November 22, 2024, https://billygraham.org/articles/how-to-be-thankful-in-all-things
2 Maree Dee, “How a Grateful Heart Helps You Embrace the Wait Well,” Embracing the Unexpected website, December 3, 2021, https://www.embracingtheunexpected.com/grateful-heart-helps-embrace-wait-well/
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