11月 22, 2025
奉仕をする中で、あなたはしばしば「バルテマイの瞬間」を経験するでしょう。では、バルテマイの瞬間とは何でしょう。それは、神がどこからともなく突然に、あなたにチャンスを与えてくださる瞬間のことです。
マルコ10章では、イエスがエリコを出て行かれるとき、大勢の群衆があとについていました。その道ばたで、バルテマイという盲人が物乞いをしていました。バルテマイはイエスがおられると聞くと、「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんでください」と叫び出しました(マルコ10:47)。
バルテマイは朝起きた時に、まさかその日イエス・キリストが自分のそばを通られるとは夢にも思っていませんでした。いつもと同じ場所で、同じように助けを求め、同じ状況の、普段と変わらない一日になるはずでした。ところが突然、そこにイエスが現れたのです。
バルテマイには、心の準備をしたり、どう応えるかを考えたりする時間はありませんでした。それは、まさに転がり込んできたチャンスだったのです。そして彼は、その瞬間をつかむことを選びました。ためらうことなく、先延ばしにすることなく、今、やると決めたのです。
それは、奉仕においても大切な教訓です。何をするにせよ、今、始めましょう。「来年になったら新しい奉仕を始めよう」、「来月になったらあの人に声をかけよう」、「明日になったらそれを優先しよう」などと言ってはいけません。
今しかありません。この瞬間をつかみましょう!
私たちは毎日、奉仕の中でチャンスに出会っているのに、それを活かせていません。なぜでしょうか? 先延ばしにしてしまうからです。先延ばしというのは、不思議なものです。人生が楽になると考えがちですが、実際にはその逆で、むしろストレスを生み出す原因になります。
何が正しいかわかっているなら、実行するのは今日です。明日まで待てると思い込んではいけません。聖書は、明日をあてにすることについて繰り返し警告しています。私には明日が約束されているわけではありません。そして、あなたも同じなのです。
イエスは言われました。「先延ばしにしてはいけない。後ろを振り返ってもいけない。神の国のことを明日へ先送りすることはできない。今、この日をつかみとりなさい」(ルカ9:62 英語メッセージ訳)。
明日、もっと良い機会があるという保証はどこにもありません。明日生きているという保証さえないのです。だから、何をするにせよ、今、行動しなさい。
イエスはあなたに、新しいことにトライするよう促しておられるでしょうか? ためらってはいけません。バルテマイの手本に倣って、その瞬間をつかみなさい。—リック・ウォレン [1]
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私は、どちらかというとインスピレーションに任せて行動するタイプなので、目標設定が散漫になりがちな自分にずっともどかしさを感じてきました。そこで、ToDoリストを効果的にこなす方法を探していたのです。自分のやりたいことや気分が乗ることから手をつけるのは簡単ですが、残念ながらこのやり方はしばしば先延ばしにつながります。しかも、そうした「お気に入り」は、たいてい最も重要でも優先すべきタスクでもないのです。重要な事柄は消えてなくなるわけではないので、結局はなんとか終わらせようとして慌てて詰め込む羽目になります。
何かを変えなければなりませんでした。ある朝、いつものデボーションの時間に、ひどい優先順位のつけ方を改善できるよう助けてください、と具体的に祈りました。
数日後、フリーマーケットを見て回っていると、一冊の本が目に留まりました。段ボール箱に詰め込まれたほこりだらけの古本の山から、『アヒルをワシの学校に送ることはできない』という奇妙なタイトルが顔をのぞかせていたのです。その本を手に取り、開いてみると、マーク・トウェインの言葉が引用されていました。「毎朝、生きたカエルを食べなさい。そうすれば、その日一日、それ以上悪いことはもう起こらない。」
それに付随する記事には、最も気が重くなる仕事を最初に片づけるという基本的な考え方が説明されていました。そうした仕事をカエルを食べることにたとえて、もっと魅力的な用事に取りかかる前にそれをすべきだというわけです。他にも、物事をやり遂げることについて、役に立ちそうな逸話がたくさん載っていましたが、カエルのたとえが強く印象に残り、これこそが「戦略」を求める私の祈りへの答えかもしれないと気づいたのです。
私は10歳のころからひどい背中の問題を抱えてるので、1日を乗り切るには毎日の運動とストレッチが欠かせません。けれども年月がたつにつれ、それは次第に気が重くなるような「義務」となってしまいました。ToDoリストからまずこのルーティンを片付けることは、私にとってその日の最初の「カエル」となるのです。
このような「カエル」を特定するのは、最初のうちは少し奇妙な感じがしましたが、このシンプルな方法で仕事の習慣は改善され、先延ばしを防ぐ助けにもなりました。ToDoリストをまとめる時間のない日でも、まず最初に取りかかるべき「カエル」を探すことは忘れないようにしています。—アイリス・リチャード
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「優先順位の原則」とは、(a)緊急なことと重要なことの違いを見極めること、そして(b)重要なことから先に取りかかること。この二つを指します。—スティーヴン・プレスフィールド
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待っていてはいけない。「ちょうどいい時」なんて、永遠にやってこないのだから。—ナポレオン・ヒル
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勇気がわくのを待つというのは先延ばしの一種にすぎません。最も成功している人たちは、恐れつつも行動を起こすのです!—作者不詳
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行動しないことは、疑いや恐れを生み出す。行動は、自信と勇気を生み出す。恐れを克服したいなら、家の中でじっとして、考えにふけっていてはいけない。外に出て忙しく動き回りなさい。—デール・カーネギー
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私はこれまで、祈りの時間を確保することにしばしば苦労してきました。妻とは、毎朝と寝る前に一緒に祈っていますが、日中の「イエスと語り合う時間」をついおろそかにしがちです。特に、思いがけない出来事が起こると、なおさらです。祈らなければならないことはわかっていますが、「祈りの時間」を確保するのは本当に難しいのです。
そんなときに出会ったのが、「2分ルール」[2] についての記事でした。その仕組みは、こうです。
先延ばしにしてしまうタスクのほとんどは、実際には難しいものではありません。十分にできることばかりなのに、なぜか取りかかるのを避けてしまうのです。おもな理由は、「時間がないから」という言い訳にあります。
2分ルールは、行動を起こすハードルを下げることで、先延ばしを克服します。このルールには、2つの要素があります。…
1: 2分以内でできることは、今すぐやる。
後回しにしていることの中には、2分もかからずに終えられることがたくさんあります。たとえば、食事のあとすぐに食器を洗う、洗濯物を洗濯機に入れる、ごみを出す、散らかったものを片づける、メールを送る、など。
つまりこのルールは、「2分以内で終わることなら、すぐにやる」というものです。それは祈りにも当てはまるのでしょうか? もちろん、当てはまります!
2: 新しい習慣を始めるときは、2分以内でできることから始める。
すべての目標が2分以内に達成できるものでしょうか。もちろん、そうではありません。けれども、どんな目標であっても、「2分以内に始める」ことはできるのです。
では、これがどのようにもっと祈るための助けになるのでしょうか。私は、まとまった祈りの時間が取れるまで待つのではなく、一日の中で必要を感じたその瞬間に、できればすぐに、短い祈りをささげるようにしているのです。長くて切実な祈りも大切で、そうした祈りが必要なときもありますが、まずは今できる短い祈りを先延ばしにせずに祈ることが、良い始まりなのです。
聖書は、イエスはいつも私に耳を傾けてくださると約束しています。だから私は、その真理を信じて、実際に行動に移しています(1ヨハネ5:14–15)。私の新しい祈りの習慣は、身につきつつあるのです。—クリス・ミズラニー
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先延ばしとは、「本来すべきことを、意図的に後回しにする行為」です。… 先延ばしを克服する一つの方法は、どんなタスクであっても、たゆまず勤勉であることです。クリスチャンは究極的に主に仕えているのですから、仕事に対して勤勉に取り組む強い動機を持っているはずです。「何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から働きなさい」(コロサイ3:23)。…
聖書は、いくつかのことに関しては決して先延ばしにしてはならないと教えています。イエスは、兄弟とのわだかまりを思い出したなら、直ちに仲直りするよう教えられました。また、あなたを訴える者とは「早く和解しなさい」とも言われました(マタイ5:23–25)。…
クリスチャンは、失われた人々に福音を伝えることについては、決して先延ばしにしてはなりません。無駄にできる時間などないのです。イエスは福音伝道を盛大な宴会に人々を招く人にたとえられました。その主人はしもべたちを送り出し、こう言いました。「いますぐに、町の大通りや小道へ行って、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の悪い人などを、ここへ連れてきなさい」(ルカ14:21)。この招きの中で際立っているのは、開放性(あらゆる人が招かれている)と、緊急性(急いで行われなければならない)です。
人生は短く、私たちは明日何が起こるかもわかりません(ヤコブ4:13–14)。… ですから、霊的なことに関して先延ばしにすることなど、決してあってはならないのです。… また、私たちのすべての行動は神への奉仕に動機づけられているのですから、先延ばしにする理由などないのです。—GotQuestions.org [3]
2025年8月アンカーに掲載 朗読:ジェリー・パラディーノ 音楽:ジョン・リッスン
1 Rick Warren, “Monday Encouragement,” Pastors.com, https://cf.pastors.com/monday-encouragement-203a
2 David Allen, Getting Things Done (Penguin Books, 2002).
3 “What does the Bible say about procrastination?” GotQuestions.org, https://www.gotquestions.org/procrastination-Bible.html
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