これからのより良い日々(パート4)

6月 26, 2025

Better Days Ahead—Part 4
June 12, 2025

精神的・情緒的健康を育む

ピーター・アムステルダム

オーディオ所要時間: 14:10
オーディオ・ダウンロード(英語) (12.9MB)

私たちの人生に何が起ころうと、私たちの思いを確かなものとし、歩みを導いてくださるイエスを信頼して仰ぎ見ることができると知れるのは、素晴らしいことです。聖書には、思いの堅固な者は神に信頼しているので、神が全き平安をもってその人を守られる、と書かれています。(イザヤ26:3) 「[善良で正しい]人の歩みは主によって導かれ、確かなものとされる。主はその人の行く道を喜ばれる。[また、その道を祝福される。]」(詩篇37:23 英語詳訳聖書)

本シリーズのパート2では、孤独や孤立感、絶望感といった心の問題や、それが私たちの生活にもたらす影響を取り上げました。そういうことがあると、日々の生活が単調になり、喜びと目的意識と新たな可能性の欠如を感じるようになることがあります。

そして、それによって、精神的・情緒的健康が損なわれることもあるのです。これはあなたが弱いとか、何か間違ったことをしたからというわけでもありません。この類の精神的・情緒的苦闘を抱えてしまうのは、堕落したこの世界に生き、ストレスと悲しみと失望をもたらすような数々の困難に直面してきた結果なのです。

この点を、イエスは以下のように説明されました:

人生は時にただ辛いものであり、それがしばらく続くこともある。わたしの方を見て、導きと助けを求めるなら、困難を切り抜ける道は常にあるのだが、わたしが最大の益をもたらすまでに時間のかかることもある。問題が長引いて心身ともに疲れ切った時でも、わたしはあなたの側にいて、霊を回復させる。そして、一緒に問題に取り組む間、あなたが耐え抜くための忍耐と根気を与えようとしている。

わたしは、問題のない人生は約束しない。魔法の杖を振ってあなたの問題や苦労を取り除きもしないが、人間の力を超えたものをあなたに与えることができる。逆境に耐え、嵐の中で堂々と顔を上げ、そして時が経てば、次の困難に立ち向かうためにより強く、より良く準備された状態になれるようにするものを。

具体的な方法について語る前に、一つ重要なことがあります。それは、何であれ情緒的・精神的なことで戦っている場合、最善の出発点とは、主の導きと慰めを求め、日々主に近くとどまることだと覚えておくことです。心に神の平安が与えられることについて、私が好きな聖句の一つが、これです:

「あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい。… 何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。」(ピリピ4:4, 6–7)

何かのことで戦っているなら、それは主に近くなるために良い時です。私たちがどんな困難に直面する時にも、主は答えを持っておられます。主は私たちの人生や思考、必要、苦悩を一つ残らず詳細に至るまで知っておられるし、私たちが主に近づくなら、聖霊の癒やしの力によって私たちの気分や感情が変えられ、御霊の実が私たちの人生に豊かに結ばれます。私たちは積極的に神に近づく必要があるし、そうすれば神もまた私たちに近づいてくださるのです。(ヤコブ4:8

さまざまな方法を用いて、主との歩みを強めることができます。主に近づく助けとなる積極的な手段を、いくつか簡単に見ていきましょう。

聖書や、心を高めてくれるデボーショナルな記事や本を、毎日読む。以前は神の言葉を毎日読む習慣を身につけていたとしても、日常の喧騒により、その習慣が続かなくなって、毎日とは言えなくなることも多く、そのうちに全くしていないという状態にもなりえます。可能な場合には、主との時間を取ることを毎日の優先順位とし、聖書やデボーショナルな出版物を読んだり、祈って主と交わったりすることが重要です。これは、情緒的・霊的・精神的な健康状態全般を維持するための出発点として、非常に良いことです。

「わが子よ、わたしの言葉に心をとめ、わたしの語ることに耳を傾けよ。それを、あなたの目から離さず、あなたの心のうちに守れ。それは、これを得る者の命であり、またその全身を健やかにするからである。」(箴言4:20–22)

祈って、重荷や思い煩いを主に委ねる。自分が罪や心配、自責の念、心配といった重い荷を運んでいることに気づいた時には、立ち止まって、そのような思い煩いを具体的に主に委ねる時間を取ることが大切です。その後は、それを主のもとに残しておき、主が全てを上手く計らってくださると信じましょう。

「神はあなたがたをかえりみていて下さるのであるから、自分の思いわずらいを、いっさい神にゆだねるがよい。」(1ペテロ5:7)

あなたの内に、またあなたを通して働いてくださるよう、聖霊に求める。聖霊に満たされると、証するための力が与えられることを、私たちは知っています。(使徒行伝1:8) しかし、御霊に満たされ、人生を主に変えていただくことによってもたらされる恩恵や祝福は、他にもあります。つまり、愛、喜び、平和、寛容(忍耐)、慈愛、善意、忠実、柔和、自制といった御霊の実です。(ガラテヤ5:22–23)

神の恵みは十分であることを思い起こす。人生で起こるテストや試練の多くに関して、私たち自身にはそれに対処するための強さも知恵も力もありません。私たちは弱く欠点だらけの人間なのです。しかし、神は全能の方です。至高の存在であり、その恵みは十分なのです。使徒パウロもこう言っています。「ところが、主が言われた、『わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる。』それだから、キリストの力がわたしに宿るように、むしろ、喜んで自分の弱さを誇ろう。」(2コリント12:9)

神の御心の内を歩む。私たちの人生に関する主の御心の全体像は、御言葉を読むことによって、かなりはっきりと確認することができます。日々の活動をする上で、あなた個人のための主からの確証やしるしはないかと注意しているなら、そこから励ましを得られます。神の愛の表れ、開かれた扉、あなたの人生において主が臨在し働いておられることの確証を探し続けるなら、それがあなたの霊を引き上げ、希望をくれることでしょう。

自分はひとりじゃないことを思い出す。神の絶えざる臨在を感じる感覚を研ぎ澄ましましょう。イエスが常にあなたと共におられることを思い出してください。長期間一人きりでいると、自己価値観が損なわれることがあります。自分は忘れられた存在で、気にかけてくれる人も愛してくれる人もいないと感じ始めるのです。相手が家族であれ友人であれ、人間関係において何かを変えることはあまりできないかもしれませんが、イエスがあなたに対して抱いている、計りしれず変わることのない愛に意識を向けることができます。イエスは全ての虚しさを埋め、あなたの物の見方を明るいものにすることができるのです。

「わたしはこの時代の終りまでも、常にあなたがたと共にいる[どんな状況であれ、いかなる場合でも、絶え間なくあなたがたと一緒にいる]。」(マタイ28:20 英語詳訳聖書)

感謝に満ちた態度を保つ。感謝の気持ちを常に保つには、感謝し続けることと、忍耐することとが必要です。感謝の気持ちはパワフルであり、身体的・心理的・精神的健康や睡眠、自尊感情などを増進させることが分かっています。祝福を口で言い表し、主に感謝を述べることは、人生にあるさまざまな良いことを思い出す助けになり、他の人たちにとっても良い手本となります。

他にも、以下のように、精神的・情緒的健康を育む助けとなる具体的ステップがあります:

日記をつける。考えたことや祈り、主から受け取った導きや指示、あなたの力となる主の約束などを書きます。日記をつけることで、精神を集中させられるという人もいるし、イエスとの旅路を振り返ることは、励ましとなり、かつ報いのあるものです。

信頼できるクリスチャンに、助言や忠告を求める。誰にでも、一緒に祈れる人や、神の教えにかなった助言を与えられる人を必要とする時があるものです。

「助言がなければ民は倒れる。しかし、助言者が多ければ安全だ。」(箴言11:14 英語新欽定訳)

あなたに感動を与え、モチベーションを高めるような名言を集める。それを壁に貼ったり、携帯電話に入れたりなど、どこかよく目にする所に保存するといいでしょう。ほぼいつでも、短い引用句を読む程度の時間ならあるものです。そのような言葉はパワフルで、私たちの態度をリセットしてくれます。そして、今現在どんな困難に直面しているとしても、希望があること、神が良きお方であること、人生は向上すること、また、私たちには多くの祝福が与えられていることを思い起こさせてくれます。

人とのつながりを保つ。孤独は、精神的・情緒的健康に影響を与える大きな要因です。必要としているサポートを、あなたが今つながっている人たちから得られないのであれば、新たに交友関係やクリスチャンの交わりを築ける場を探すといいでしょう。たとえば、教会に通う、同じことに興味を持っている人たちのグループを探す、週に何度かボランティア活動をする、といった方法で、他の人との関係を築くといいかもしれません。

プラスの影響をあなたに与える人、あなたを正しく評価し、大事にしてくれる人と時間を過ごしましょう。ポジティブで豊かな気持ちになり、頑張ろうと思わせてくれるような人との絆を築いていくことです。

「互いに励ましとなる言葉を語りなさい。希望を生み出すことで、誰ひとり取り残されることも遅れを取ることもなく、すべての人が一緒にこれにあずかれるようにしましょう。あなたがたが、すでにそうしていることを、私は知っています。これからもそうし続けなさい。」(1テサロニケ5:11 英語メッセージ訳)

体を大切にする。セルフケアは利己的なことではありません。健康でいるために必要なことを実行するなら、幸福感を増大させることができます。たとえば、栄養価の高い食品を食べる(糖分や加工食品を制限しつつ)、水を十分に飲む、運動を十分にする、十分な睡眠が取れるような規則正しいスケジュールを保つ、などです。

アクティブであり続ける。運動をしたり、アウトドアを楽しんだりしましょう。自然の中にいて、新鮮な空気を吸い、健康を保ち、気分転換をすること、また、体を動かしたり運動したりすることの恩恵を受けることは、情緒的健康に良い影響があります。

ボランティアをし、他の人に与える。親切な行いや、惜しみなく与えることは、健康全体の向上に驚くほど効果があります。ボランティア活動をすることで、他の人との友情の絆を築くこともできます。同じ目的のために共に行動しているからです。

「物惜しみしない者は栄えて満たされ、他人を元気づける者は自分の元気も取り戻す。」(箴言11:25 英語ニューリビング訳)

今この瞬間に意識を集中する。私たちに過去は変えられないし、将来を自由自在に操ることもできません。(ヤコブ4:13–15) 私たちにあるのは今日であり、主が私たちに信仰を与えてくださるのも今日のためなのですから(マタイ6:34)、今日と、周りにある良いこととに全意識を集中させることによって、この日を最大限に活かしましょう。

私たちの霊的・精神的・情緒的健康を良い状態に保つための一番の手段とは、神の御言葉を読んでそれに従って生き、祈りと瞑想によって神の御顔を求め、聖霊に満たされることであると覚えていましょう。そうする時、人生の低地の中を進むにあたって、主が私たちの世話をし、明るい日々の光を見るまで導くという約束を果たしてくださるに違いないと、主に信頼することができるのです。

初版は2021年11月 2025年6月に改訂・再版 朗読:ジョン・ローレンス

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