12月 1, 2024
一人の男の子が私たちのために生まれます。その肩にすべての主権が与えられ、その子は、「すばらしい助言者」「全能の神」「永遠の父」「平和の君」と呼ばれます。—イザヤ9:6
*
イエス・キリストは最もみすぼらしい環境で生まれましたが、その上空は天使たちの賛美の声で満たされていました。泊まっていた場所は家畜小屋でしたが、遠くからのそうそうたる人たちが星に導かれ、イエスに敬意を表すために、やって来ました。
イエスの誕生は生命の法則に反しており、その死は死の法則に反していました。
イエスには麦畑も漁場もなかったけれど、5千人を養うことができ、さらに、パンと魚の余りが出るほどでした。美しい絨毯の上を歩くことはなかったけれど、水の上を歩くことができました。しかし、イエスが行ったそのような奇跡よりもさらに素晴らしく、説明のつかないもの、それが、あなたや私に対するイエスの愛なのです。—アクティベーテッド
私は毎年、クリスマスを心待ちにしています。殺風景な家の片隅に、赤いリボンで飾られたツリーが置かれた瞬間、部屋全体が温かな雰囲気に変わるのが好きです。クリスマスの音楽は過去の幸せなクリスマスの思い出へと私を運び、今年のクリスマスへの期待をさらに膨らませてくれます。毎年、ツリーを飾るたびに、前回飾り付けをした時から今までの間に起こった出来事を思い出し、感嘆します。たとえどんな年であろうと、この喜びを分かち合うクリスマス・シーズンで完結するのです。
子どもの頃、私たちは、よくあるような伝統的なクリスマスは過ごしませんでした。プレゼントを期待し、特定の料理を要求したこともありません。雪やホワイトクリスマスは期待しなかったし、どの言語でクリスマス・キャロルを歌うかにもこだわりませんでした。クリスマスを誰と過ごすかは決まっていなかったし、ツリーを飾った年もあれば、飾らなかった年もあります。私はこれまで、十数ヶ国でクリスマスを過ごしてきました。ポルトガル、カナダ、香港、マカオ、台湾、中国、イタリア、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド、アメリカ、ウガンダ、ケニヤ、タンザニア、メキシコです。
中には、クリスマスを祝う伝統がある国もあれば、クリスマスの存在すら知らない国もありました。また、クリスマスの祝い方については、私もよく知っている祝い方をする国もあれば、あまりよく知らない別の方法で祝う国もありました。
そんな中で、私の生涯において、クリスマスに関して共通していたことは、イエスの誕生を祝うことだけです。それは罪深い人間と完璧な神との間の溝を埋めるため、御子が送られた時に訪れた大きな喜びを思い出す時なのです。イエスの誕生によって、人間は初めて、死を恐れる必要がなくなりました。救いがもたらされたのです。私たちはいつも、できるだけ多くの人に救いをもたらそうとすることによって、主の誕生を祝ってきました。
私にとって、クリスマスに出会った人たちとの個人的な交流は、その中でも幸せな思い出です。寂しく辛い思いをしている人たちの心に、神の愛が触れるのを目にしてきたからです。
もっと伝統に沿ったクリスマスを自分の家族が祝ってくれたらと願ったこともあります。私は有意義な行事やイベント、家族が好きな食事などを通して、温かな雰囲気を楽しむクリスマスを望んでいました。自分の子どもたちに継承していけるような伝統がほしかったのです。けれども今は、考え方が変わりました。毎年同じデコレーションの箱を開け、あらかじめ決まっているイベントや交流、食事をしてクリスマスを過ごしたいとは思いません。むしろ、予想通りのクリスマスではなく、期待に満ちたクリスマスがほしいのです。
イエスの誕生は、予想外のことでいっぱいでした。長旅、羊飼い、天使、兵士たち・・。イエスの人生全体が、伝統や予想をくつがえすものであり、中でも、死からよみがえったことが特にそうです。毎年、主の誕生を祝う日が巡ってくる時、伝統的なクリスマスを過ごそうとするのではなく、神が私たちを通してどのように働きたいと願っておられるかということに、心を開くといいのではないかと思います。
あなたには、一緒にクリスマスを過ごすべき新しい人がいるのかもしれません。救いに導ける人に神が引き合わそうとしているのかもしれません。または、予想外のニーズを抱えた人に出くわし、いつもより物惜しみせずに与えることを促されるかもしれません。
実はこのメッセージを聞く必要があったのは、他でもなく私でした。大変な状況が続いていたからです。将来の見通しがわからず、特に当面は先が見えないという感じでした。毎日に不幸せな出来事が織り込まれているように見える時、お祝いなんてできるだろうかと思えたのです。けれどもその時、天使が羊飼いに語ったメッセージを思い出しました。
「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。」(ルカ2:10–11)
それこそが、このクリスマス、そしてすべてのクリスマスに、私たちが伝え、祝うべき最も大きな喜びです。イエスは、私たちと共におられます。そして、何か素晴らしいことが起こるのです。—マラ・ホドラー
クリスマスは、人によって異なるものです。一年で一番お金を稼ぐチャンスである人もいれば、財政難を回避できない時期である人もいます。過剰支出の陥没穴にはまり、そこから抜け出すのに数ヶ月かかることもあるのです。
家族や友人と楽しく集まり、愛し愛される時である人もいれば、一年で最も孤独な時期である人もいます。家庭の温かさを感じ、安心感を抱く時である人もいれば、自分にはなく、これからも手に入らないであろうものを、痛切に思い知らされる時である人もいます。
物事を深く考察する機会である人もいれば、パーティーをしてすべてを忘れる機会である人もいます。奮発して愛する人に贈り物をし、同様に自分も贈り物を受け取る機会である人もいれば、見返りを求めることなく、困っている見知らぬ人に自分を捧げる機会である人もいます。
美しい灯りとカラフルな飾りつけによって、一年に一度、すべてが楽しく正しい世界に束の間の逃避をする人もいれば、いつの日かすべての過ちが正され、真に「地に平和、人々に善意」が訪れるのだという約束に望みを置く人もいます。
赤い衣装に身を包み、長い白いヒゲをたくわえた陽気な老人が、「ホーホーホー!」と言いながら子どもたちの願いを叶える時だと思う人もいれば、神の願いを叶えるために生まれた飼い葉桶の赤ん坊を想う人もいます。
世の初めから、人々は自分の人生を真に有意義で完全なものにする特別な何かを切望してきました。そのすべてが、どこか遠くの家畜小屋で生まれた小さな赤ん坊の姿でやって来るなんて、誰が想像したことでしょう。しかし、それこそが実際に起ったことなのです。
神は、これまでに創造されたすべての人間の心、そして、これから生まれてくるすべての人間の心を見て、彼らが何を必要としているかを知っておられました。そこで、神はご自分の心の一部から、完璧な答を作り上げ、この世に送られました。そして、その答をイエスと名付けられたのです。
クリスチャンである私たちは、クリスマスに、神が史上最高の贈り物としてひとり子を送るほどにこの世を愛してくださったという、クリスマスの真の意味を祝います。(ヨハネ3:16) クリスマスは、世界中の大勢の人たちと共にイエスの誕生を祝い、イエスの愛を他の人と分かち合う機会であり、それによって、彼らが救いという神の無料の贈り物を受け入れるチャンスを持てるようにするいい機会です。このクリスマス・シーズン、神があなたを祝福し、他の人への祝福としてくださいますように。—キース・フィリップス
主よ、すべての人の心が幸せで軽やかであるべき季節に、私たちの多くは人生の重荷に苦しんでいます。クリスマスの靴下から喜びを奪うような重荷です。…
悲しみや壊れた人間関係で心が打ちひしがれている人や、葛藤と混乱しか知らない人生を送っている人を、また、この一年、耐えられないほどの体の疲れや試練を味わってきた人を、尊い救い主よ、あなたのもとに引き寄せてください。そして、彼らに知らせてください。あなたは今も変わらず、病院ではなく家畜小屋で、処女から生まれ、干し草の飼葉桶に寝かされた、あのイエスであることを。あなたは今も変わらず、私たちの罪に対して非難ではなく愛と赦しを与え、日々神聖な交わりを与えてくださる天の父によって遣わされたお方です。
私たちは、あなたの平和と喜びを、ただ必要としているだけではありません。主よ、それを切望しているのです。あなたは、疲れた者に休息を、戦いに傷ついた者に勝利を、不安な者に平安を与えることを、そして、心の打ち砕かれた者を受け入れることを、約束してくださいました。それは、クリスマスだけではなく、毎年毎日のことです。…
あなたは今も変わらず、「すばらしい」「助言者」「全能の神」「永遠の父」「平和の君」と呼ばれる方です。私たちはあなたの子として、新鮮な満たしと、あなたについての新たな認識を切に求めます。私たちは信仰によって、「大きな喜びを告げる良い知らせ」を自分の生活の中で現実のものとしていきます。そうすることで、今年のクリスマスに、私たちが明かりの灯された生命の木となって、あなたを指し示すのを他の人たちが見るようにです。いつか、すべての膝があなたに対してかがみ、すべての舌があなたこそ主であると告げる日が来ることを、私たちは知っています。また、地上の平和は、人の心があなたとの平和を見つけた時にのみ訪れることを。
あなたは今も変わらず、私たちの喜びです。今でも、私たちの平和なのです。もはや、飼葉桶に横たわったままの赤ん坊ではありません。王の王、主の主なのです。そして、今も変わらず、私たちはあなたを主としてたたえます。今年のクリスマスも、これからも常に。—レベッカ・バーロウ・ジョーダン [1]
2023年12月アンカーに掲載 朗読:デブラ・リー 音楽:『Christmas Moments』アルバムより、許可を得て使用
Copyright © 2024 The Family International