7月のクリスマス

11月 23, 2024

My Christmas in July
December 13, 2023

カトリン・プレンティス

20代前半、私はクリスチャンの歌のグループの一員となり、人生が一変しました。私たちが目標としたのは、孤児院で暮らしており、自分たちの人生に一筋の光が指すことを願っていた子どもたちに、喜びと愛を届けることです。特に魅惑的な季節であるクリスマス・シーズンのある日、私は5歳ほどの子どもたちのために、楽しいクリスマス・エンターテインメントショーを導きました。それが15年後に続く心温まる物語の始まりになるとは、思いもせずに。

期待と興奮で満ちた空気の中、私たちの歌は孤児院の廊下にまで響き渡り、子どもたちはその歌に惹きつけられて、心を踊らせていました。私たちはまた、時代を超えて語られるイエスの誕生物語や愛と希望のメッセージを歌うクリスマス・キャロルを、メロディとともに、子どもたちに教えました。そして、ショーを終える際には、子どもたち一人ひとりにちょっとしたクリスマス・プレゼントを渡しました。その中には、イエスが彼らを愛しておられることを思い出させるカラフルなポスターも入っており、それは、クリスマス・シーズンが終わったあとも、子どもたちがずっと手元に残しておけるものです。

笑いと楽しいひと時を共有した中で、希望の光のように際立つ出来事が一つありました。

15年後の2005年7月の暑い夏の日に、話は移ります。それは、私が人生最愛の人ブライアンと結婚する数日前のことでした。私たちは付添人の家族のところに滞在して、結婚式の準備と、私たちの人生の新しい章がもたらす興奮のただ中にいました。

結婚の準備とは別に、私たちが泊めてもらっていた友人宅は、夏の間、敷地の周囲を修繕する必要があったため、便利屋が雇われていました。作業員が到着した時、友人は家にいなかったので、私と夫が応対しました。彼らが壁とタイルの修理に取り掛かっている間に、私はコーヒーとビスケットを用意したのですが、それからものすごいことが起こったのです。

カップとお菓子を配っていると、興味深そうに私を見る若い見習いと、目が合いました。すると、彼は驚きの念に駆られて、一瞬時が止まったかのようになったのです。私は気まずく感じつつも興味をそそられ、何を考えているのか尋ねてみたのですが、彼の答えに完全に驚かされました。

「別に問題があるわけじゃありません。」 その声は、驚きと喜びに満ちていました。「そうじゃなくて、あなたに会えて、ものすごく嬉しいし、びっくりしたんです。あなたのことを覚えていますよ。とても信じられません!」 私は、彼の顔を見ても、会ったことがないとしか思えず、ますます気まずく感じました。

そして、彼は微笑みながら、こう言いました。「最初から説明させてください。お名前はカトリンさんではないですか。」 私はうなずいて、それを認めました。すると彼は、きっとそうだと言わんばかりに、目を輝かせながら、こう続けたのです。「あなたはギターを弾くし、歌も歌いますよね。しかも、かなり美しい歌声で。」 私は顔を赤らめながら、微笑みを返したのですが、どうして彼が私のことをそんなに詳しく知っているのか、不思議でなりませんでした。

彼は「やっぱり!」と大きな声を上げてから、こう言いました。「たぶん私のことは覚えていないでしょうね。私はまだ5歳だったし、他にも大勢の子どもが周りにいましたから・・。」

それから彼が話してくれたことに、私は深く感動しました。もう何年も前に、私が例の思い出深いクリスマス・ショーをした時の孤児の一人だと言うのです。そして、私が彼の小さな手を握り、目を見つめて、イエスが愛しておられると言って安心させてくれたのだと。彼は涙ながらに、こう付け加えました。「いただいたポスターは、今でも持っているし、あなたのことを忘れたことはありません。」

私があげたポスターは、クリスマスの善意のしるし以上のものとなり、彼の心に植え付けられた信仰の種に火が付くきっかけを与えました。そして、それが長年にわたり彼を導いてきたのです。

あの忘れられないクリスマス・ショーの間、おそらく50人以上の小さな子どもたちが、私たちの周りでアクションソングを一緒に歌いながら、走り回っていました。その15年後、私の結婚式の直前に、そのうちの一人に会う可能性なんて、いったいどれほどあるものなのでしょう。でも、私たちはこうして出会い、遠い昔に植えられた親切な行為と信仰の種によってつながった2つの人生が、再び交わりました。

私が「7月のクリスマス」と呼ぶようになったこの出来事は、私にとって非常に深い意味を持つことになりました。それは、私たちが話す言葉や交わす視線、親切な行為の一つひとつが、柔らかながらも広範囲な影響を及ぼすのだということを、そっと教えてくれたのです。

私たちが誰かに、特に子どもたちに与える影響は、過小評価しがちです。しかし、この不思議な再会は、それぞれの交流が、幼い人生を意味のある方法で形作る機会であることを思い出させてくれました。そして、それは子どもたちとの交流の重要性を強調し、子どもたちは騒がしい厄介な存在などではなく、運命を形作る価値のあるかけがえのない個人であることも思い出させてくれたのです。

また、この予期せぬ出会いは、たとえ結果を予測できない時でも、信仰の種を植えることの重要性を浮き彫りにしました。もし私が、この幼い孤児にイエスの愛を伝える機会を逸していたとしたら、彼の人生はどれほど違うものになっていたことでしょう。感謝すべきことに、そうはなりませんでした。こうして、あの小さな孤児の少年は、立派な青年に成長し、神の愛の驚くべき力の証となっていたのです。

私たちの物語は、あの心温まるクリスマス・ショーから巡り巡って、思いがけない7月の出会いへと至りました。人生のタペストリーにおいて、どんな小さな出会いであっても、それは美しい物語を織り成すためのかけがえのない糸となることでしょう。あの若者の言葉は、「神がついているなら、小さいものでも大きい」という真実を響かせるものでした。

あの7月の「偶然」の出会いは、単なる偶然ではなかったのではないでしょうか。愛が持つ無限のインパクトと、神の揺るぎない恵みとに気づかせるために、神によって意図的に起こされたことだったのではないでしょうか。それは、最高の結婚祝いとなりました。

夫と私は、結婚の誓いを立てる際に、この教訓を生かしていくことも誓いました。一瞬一瞬を大切にすること、優しい言葉の力を決して軽んじないこと、そして、出会うすべての人に、常に忠実にイエスのメッセージを伝えることです。

Copyright © 2024 The Family International