クレマチスのつる

10月 18, 2024

The Clematis Vine
July 27, 2022

マーティ

昨年6月に、私が買った一鉢のクレマチスの話です。店員は、このクレマチスは成長が早く、色鮮やかな花をたくさん咲かせると保証してくれました。私はその言葉を疑うことなく、カナダの短い夏の数ヶ月の内にそれが実現することを期待しつつ、帰宅したのです。鉢は、庭にある木の根元に置いて、つるを幹に誘引するよう、小さなトレリスを立てました。

数週間、水やりをして待ちましたが、何も起こりません。さらに数週間待ってみても、やはり何も起こりません。数センチの成長さえもないのです。きれいに咲くこと間違いなしと言われていたけれど、その兆候はまったく見られません。庭の残りの部分が花でいっぱいになったというのに、この株だけは花が咲かないまま、夏が終わりました。

そのうちに冬が近づいてきたので、寒さに弱い植物をいくつか掘り起こして、室内に持ち込むことにしました。クレマチスのことはもう何週間も前に諦めていたし、株は乾燥して、もう死んでいるように見えたのですが、横を通り過ぎた時に、なぜかわからないものの、その鉢を手に取り、他の植物と一緒に運びました。それは、あるべき姿になれなかった株を憐れんだからかもしれないし、あるいは、私がただはかない望みを抱いていただけのことかもしれません。

家の中は狭いし、サンルームはすでにいっぱいだったので、クレマチスの鉢はサンルームの隅にあるテーブルの下に置きました。クリスマスの頃は2週間ほど別の場所に行き、家に戻ったのは1月のことです。家を留守にした後に誰もがするように、私は何も問題のないことを確認するために家の中を見て回りました。サンルームに入った時、私の視線がクレマチスの鉢に止まると、そこから目を離すことができませんでした。1メートルほどの短いつるが2本、根もとから伸びていたのです。

私はわけがわかりませんでした。クレマチスの世話は、何ヶ月も前に完全にやめていたのですから。それなのに、急に生命を吹き込まれたかのようだったのです。私はこの展開に驚き、また、自分が疑っていたことにいささか後ろめたさを感じつつ、つるが登っていけるように壁に紐を張りました。そして2月中旬には、つるが天上まで届いて、繊細な紫色の花を咲かせ始めたのです。

今朝、読書をしていた時、少し休んで顔を上げると、クレマチスが生き生きとした実例となって、目に映りました。私たちは人生の夏を神の庭の世話に費やしてきて、多くのことがうまくいきましたが、それでも、失望や心の重荷のもととなったものもあります。また、長らく希望や期待を抱いてきたもののいくつかは、もはや実現しそうにないように見えます。

私たちの抱いてきた夢が熱心に世話され、豊かな御言葉の水やりがなされてきたことを、私は確信しています。それに、クレマチスのことは諦めてしまいましたが、私は奇跡への希望を失ったことはありません。近視眼的な考え方や疑念によって、その希望が奪われるのを許すようなことはしないのです。

おそらく神は、私がより長く耐え、神の約束を信じ続けられるよう、この励ましを与えてくださったのでしょう。生命の兆候がほとんど見られない冬であっても、地中では根系が成長しているところであり、そのおかげで、神の時になれば、それまで休眠状態だったものが新たな生命を得て突然に開花するのです。

ピリピ1章6節: 「あなたがたのうちに良いわざを始められたかたが、キリスト・イエスの日までにそれを完成して下さるにちがいないと、確信している。」

私は信仰によってそのことを知ってはいますが、イエスに「信じます。不信仰なわたしを、お助けください」と言った、あの男の人のように感じます。神がクレマチスを用いて、私のそんな祈りに答えてくださるなんて、おもしろいものです。私は、店員が保証したことの実現は短い夏の間に起こるものと期待していたのですが、神の計画はそれとは異なっており、夏の間に多くのことが目に見えて現れるようには計画されていなかったのです。しかし神は、後に目に見えるようになることに、すでに取りかかり始めておられたのだと、今ならわかります。

イエスは、私たちが多くの点で、見ないで信じることを期待しておられます。イエスはトマスにこう言われました。「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、さいわいである。」[1]

祈り: 「主よ、あなたが時間と空間を超越して働いておられることを私に思い出させてくださり、ありがとうございます。私が長年望んできたのは、この世にいる間にあなたの約束が成就するのを目にすることだったと認めます。時がすばやく過ぎ去り、まもなく終わりを告げようとしている今、私は約束の成就のいくつかはまだ後になって起こるのだと受け入れています。あなたが一つひとつの目的をそれぞれのユニークで特別な方法によって達成してくださるよう祈りますので、どうか私が今いるあなたの庭で忠実であり、信頼することができるようお助けください。アーメン。」

今日の気温はマイナス18度で、30センチほどの積雪があり、生命のしるしと言えば常緑樹くらいです。この時期になると、冬がゆっくりと進み始めます。そして私たちは、この凍りついた世界がいつか変わるという希望を失いそうになりがちだし、生命に満ちあふれた世界へと変貌するという希望など、なおさらです。しかし、すぐに春が来て、それは実現するということを、私たちは知っているのです。

*

わが思いは、あなたがたの思いとは異なり、わが道は、あなたがたの道とは異なっていると主は言われる。

天が地よりも高いように、わが道は、あなたがたの道よりも高く、わが思いは、あなたがたの思いよりも高い。

天から雨が降り、雪が落ちてまた帰らず、地を潤して物を生えさせ、芽を出させて、種まく者に種を与え、食べる者にかてを与える。このように、わが口から出る言葉も、むなしくわたしに帰らない。わたしの喜ぶところのことをなし、わたしが命じ送った事を果す。

あなたがたは喜びをもって出てきて、安らかに導かれて行く。山と丘とはあなたの前に声を放って喜び歌い、野にある木はみな手を打つ。—イザヤ55:8–12


1 ヨハネ20:29.

Copyright © 2024 The Family International