1月 23, 2024
「神は、私たちが望むものをすべて与えてくださるわけではないが、ご自分への最良で最もまっすぐな道に私たちを導き、約束を果たしてくださる。」—ディートリッヒ・ボンヘッファー
人生はよく学校に例えられますが、それは良い比喩だと言えるでしょう。神は私たちを試し、それらにどう反応するかを見て、教訓を教え、霊的に成長するのを助けるために、人生にさまざまなことが起こるのを許されます。もちろん、神の目的は、私たちがそれらの経験を役立て、熱心に取り組み、教訓を心に留め、そこから学び、自分の可能性を最大限に発揮することです。要するに、人生のテストは、主が私たちにそうなってほしいと願い、そうなれるとご存じの人間になれるよう、主によって計画されたものなのです。
信じられないかもしれませんが、神が私たちを導くために用いるひとつのものとは、私たちの弱さなのです。誰にでもそれなりの弱さがあります。神は、私たちに必要であり、人生に最大の益をもたらすとご存じのことに従って、さまざまな理由で弱さがあることを許しておられます。中でも特に、弱さは、謙遜、忍耐、思いやりなどの美徳を教えてくれます。祈りの力も教えてくれ、それは、私たちがより神に近づき、神に依存するのを助けます。他者をよりよく理解することを教えてくれ、それによって、彼らの問題や試練に共感し、彼らを助けることができるようになります。私たちの弱さは私たちを助けるためのものであり、私たちが弱さから学び、弱さを通して神に近づくたびに、私たちを助けてくれるのです。
もし、今何かの弱点に取り組んでいるなら、最初のステップは、それが問題だと認めることです。そして次のステップは、神の助けを借りてその弱点を克服するために努力すると決意することです。この2つのステップを踏めば、問題が生じたときにもっと気づきやすくなるし、そこにテストがあることがわかります。あなたは自分の力でその問題を克服しようとするでしょうか、それとも神に助けを求めるでしょうか。
もちろん、正しいのは神に助けを求めることです。なぜなら、神の力は私たちの弱さのうちに完全なものになり、人には不可能なことも神には可能だからです。聖書はその点に関する約束で満ちています。たとえば、「人にはそれはできないが、神にはなんでもできない事はない」、[1] そして、「見よ、わたしは主である、すべて命ある者の神である。わたしにできない事があろうか」[2] といったものです。神は、あなたが弱さを克服するために、神の強さを見いだすのを助けることができ、また助けたいと願っておられます。あなたがテストに合格するのを見たいのです。そして、あなたが願い求めるなら、神は助けてくださいます。
主はあなたを助けてくださいますが、あらかじめテストの答えを教えて、あまりに簡単にすることはありません。そんなのはテストではないのです。それどころか、長年の弱点の克服は、一回のテストで合格するといったことはほとんどありません。それはコースを受講するようなものです。ある特定の科目を習得しようとする生徒は、何度も何度も繰り返し勉強し、最終試験までに何度もテストを受けなければなりません。しかし、そのコースに合格した後は、その授業がしっかりと身に付いていることになります。その学年やレベルを終え、別の学年に進むのです。人生の学校でも同じようなことが言えます。
いったん勉強に専念して、そのコースに合格すれば、神はあなたに何度も同じテストをさせる必要はありません。リフレッシャー（再教育コース）として小テストをすることもあるかもしれませんが、あなたがすでにそのコースに合格し、学んだことを記憶しているのであれば、そのリフレッシャーは最初のテストほど難しくも厳しくもないでしょう。最先端の知見を身につけ、スキルを磨く助けとなる程度の難易度にしてあるのです。
試練が大きいか小さいかは関係ありません。神にとって重要なのは、あなたが一つ一つの試練をその都度受け入れ、神はご自身がなさっていることを承知の上で、その試練をもたらしておられると、喜んで信頼することです。神はあなたの心を理解しておられます。成長し続けるために何が必要かを理解しておられます。そして、あなたの霊が何を必要としているかを理解し、それをどのように育み、強めていくかを正確に知っておられます。
だから、今度あなたが自分自身の弱さに四苦八苦していると気づいたら、それに屈したり、圧倒されたり、人生は辛すぎると思ったりせずに、それを挑戦として受け止めてください。そこから学ぶことを選択し、主の恵みによって、自分はすぐに主の人生の学校で進級するようになると信じるのです。
このプロセスを受け入れるための重要な要素は、イエスがどれほどあなたを愛しているかを確信することです。それが、あなたの人生を安定させる力となります。イエスがあなたを愛しておられることを確信し、イエスがあなたの幸せと福利に深く心を配っておられると知っているなら、困難、失望、悲嘆、苦労、その他人生があなたに送るあらゆることに直面しても、あなたの心に平安と安定が与えられることでしょう。
主の愛は、この世で唯一、絶対的に完璧で揺るぎないものです。素敵なもの、美しいもの、素晴らしいものはたくさんありますが、主の愛ほど完璧なものはありません。主は完璧であり、主の愛も完璧です。いつまでも続き、いつもそこにある、永遠の愛なのです。
マリア・フォンテーンの著述より編集 2021年5月に改訂・再版
朗読：キャロル・アンドリュース
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