ライフバランスチェック(パート4):自己成長

10月 17, 2022

Life Balance Check, Part 4:
Personal Growth
October 17, 2022

ピーター・アムステルダム

オーディオ所要時間: 11:39
オーディオ・ダウンロード(英語) (10.6MB)

生涯を通じて、私たちは生活のさまざまな分野で、自然に成長と向上を重ねます。ポジティブな経験とネガティブな経験、成功と失敗、人間関係、読書、勉強などを通して、物事を身につけていくのです。自分の知識と能力を意図的に深めるなら、それによって自己成長が促進されるので、私たちは成長し続け、よりよい将来へと大きく前進することができます。

学習を通して自己成長や自己開発をすることは、継続的な過程です。また、職業能力開発、知識基盤の拡大、霊的成長、そのいずれの分野においても、自己開発に取り組むことができます。そのような成長は、喜びや啓発、個人的充足感、向上、あるいはまた、新たな潜在的機会をもたらしてくれます。

職業能力開発

ジョイス・A・E・ラッセルは、次のように書いています。

より複雑になってきている今日のビジネス環境において、学習は単に「やったらいいこと」ではなく、うまく物事を行うために必要不可欠なことです。…知識を停滞させたままでいい人などいません。[1]

自己成長には職業能力開発も含まれ、それはより優れた専門知識や昇進にもつながりえます。そうして開かれた扉の先にある仕事によって、より多くの収入、やりがいや目的、証の機会といった、自分や他の人への益となる何かがもたらされることがあるのです。

あらゆる面での成長

自己成長は、心の満足や全般的な幸福感を含め、生活のあらゆる面に影響します。Z・ヘレフォードは、次のように書いています。

自己開発に投資する時、あなたは自分の人生や環境、また幸福度に関する責任をみずから負っていることになります。…自己開発は、金銭上の成功や立身出世、その他、外面的な成功によっては測れません。それよりも、人間として最大の可能性を発揮するために、自分の知的、身体的、霊的な側面を開発しようという努力によって決まります。

自己開発の過程で、私たちは他の人たちの豊かさや益のためにも、自分の才能や能力を発揮しようと努めます。…

このように、自己開発とは、自らの可能性を最大限に発揮するために、自分がなりうる最高のものになろうとする過程なのです。[2]

霊的成長

クリスチャンとしての人生に一貫していることの一つは、主と御言葉、そして主が私たちのために持っておられる計画について、もっと知ろうという熱意です。

あなたがたは、力の限りをつくして、あなたがたの信仰に徳を加え、徳に知識を[加えなさい。][3]

それをする方法は数多くあり、いくつかのアイデアを以下に挙げておきます。

非宗教的な主題

神は私たちを、実に多くのことに興味を持つよう造られました。特定の分野がいずれ自分の仕事につながっても、そうでなくても、それは成長とチャレンジの分野となり、個人的充足感の源となりえます。

他にも、成長を続けることで、自己開発の進み具合や人生の向かう方向に満足するようになります。また、退屈しないためにもいい方法です。

生涯学習者であれ

主が学習の機会を与えてくださったなら、問題は「それについてどうすべきだろうか」ということです。ジョン・C・マクスウェルの洞察を少し紹介しましょう。

学習の機会に遭遇した時に何をするかが、これから何年にも渡ってどのような成功や前進を遂げるかを決定づけます。私たちは、生涯学習者となる必要があるのです。

私は年月を重ねるうちに、生涯学習とはいつのまにかなされるわけではないとの結論に至りました。そのうちに「学ぶだろう」ではだめで、「学ぼう」とすることが必要です。小さな学びは、誰の人生にもあります。しかし、意図的に学ぼうとしなければ、ほとんどの場合、それはたまたま学べただけです。自分の学習に責任を持つのであれば、時間と努力をつぎ込んで学習するつもりでなくてはいけません。学習時間を自分の予定に組み込み、そして、その時間を賢く用いるのです。

エイブラハム・リンカーンは、こう語っています。「昨日より賢くなっていない人を、私は評価しない。」 あなたは日々賢くなっているでしょうか。…進んで学習をするなら、あなたは成長し続けることでしょう。[4]

私たちは、自分の健康を日々意図的に気にかけなければいけないように、自己成長についてもそうしなければいけません。

残念なことに、多くの人は自己成長を人生の副産物であるかのように扱います。長らく生きていれば、魔法のように成熟と知恵と技能が身につくと考えているようです。しかし、世に影響を与えるような正しい成長の仕方をするには、長生きするだけでは不十分であり、日々少しずつよりよい者となろうという決意を必要とします。[5]

読書のメリット

会議やセミナーに参加し、講座を受け、大学に入るために時間やお金がない人にとって、自己成長の優れた手段とは読書であり、そのようにして何百人ものメンター(成長を助ける指導者、助言者)が得られます。

読書はなくてはならぬものです。人はなぜ有名な企業家とお茶をしようとそれほども精力を注ぐのか、私はいつも不思議に思ってきました。本を読むことは、もっとも結晶化された彼らの考えを知るために、何時間も一緒に時間を過ごせるようなものなのに。[6]

主は私の心に、キリスト教神学、福音書、イエスのたとえ話、またキリスト教倫理について研究し、執筆する重荷を置かれたので、そのためにかなりの量を読んできました。疲れを感じることもあれば、主題が重苦しく複雑だったり、時には幾分退屈だったりすることもありました。内容の複雑な本を読んで疲れ切り、精神的に参ってしまい、あきらめそうになったことや、それほどでなくとも、読むのを後回しにしようとしたこともありました。しかし、感謝することに、ただ読み返していけば、いずれ精神的に参ったという感覚はなくなるし、なかなか理解できなかったことも一挙に理解できるよう主が助けてくださると分かったのです。そういった時には、喜びで満たされます。

近所に公立の図書館がある人は、無料で本または電子書籍を借りることもできます。また、いくつかのウェブサイトには無料の本、特に時間が経ったのでパブリックドメインになった本が掲載されていることがあります。[7]

最近では、インターネット上で、無料開放の大学講座が数多くあるし、大量の情報や研究結果にもアクセスできます。友人が最近、コーセラが提供する「学び方を学ぶ」という無料のオンライン講座(MOOC)に興味を持ち、登録しました。

障害の克服

スケジュールがかなり忙しくなると、最初に外されることが多いのは、自己成長に関するものです。学習のために時間を投資することは犠牲ともなります。なぜなら、そうするためには通常、朝早くに時間を作るか、夜や週末の余暇活動や娯楽を削らなくてはいけないからです。しかし、その価値はあります。ただ、適切なバランスが必要であるのは言うまでもありません。

段階的に行っていくことが鍵であると、私は思います。まず、自分のゴールを考えて、そこに到達するための計画を立てます。そして、たとえできることはわずかで、週に1時間読める程度であったとしても、それを実行するのです。読む時間を見つけるのが難しいなら、他の事をしながら、オーディオブックやセミナー、ポッドキャストなどを聴いてもいいでしょう。このやり方について、さらなる洞察を紹介します。

成長を目指すなら、自己満足してはいけません。今あなたのいる場所は、そこに至るまでにあなたが得た教育と技能のおかげです。問題は、明日はどこにいたいのか、ということなのです。自分がすでに知っていることの上にあぐらをかいていては、明日いるべき場所に到達することがありません。…

専門的な知識基盤の拡大となると、[多くの]人は行き詰まりを感じます。職場では多忙極まりなく、家では疲れ切っているし、スケジュールはすでにぎっしり詰まっているのに、どうやって学習のための余分の時間を捻出すればいいのか分からないのです。

秘訣は、2つの点に気づくことにあります。1つ目は、テクノロジーとモバイルオプションが利用しやすくなっているため、もはや教室で学習を行う必要がなく、どこへ行くにも、訓練ツールを持ち歩けるということです。2つ目は、授業に生で出席するために、まとまった時間を苦労して作り出す必要はもはやないので、自分のしたい通りに、都合のいい時間に学習に取り組めばいいということです。新しい技能の取得に充てるためにまとまった時間がない人でも、10分だったら割けるのではないでしょうか。[8]

恩恵の享受

新しいことを学ぶために時間をかけるなら、あなたは人として豊かになり、自信がついてきます。また、豊富な話題で会話ができるようになるため、それが証につながることがあります。人はよく、相手の会話能力を見ます。もしあなたが、さまざまな話題や、相手に興味のある分野について、その人と話すことができるなら、それは友情や人脈を築くきっかけとなり、それによって、自分の信仰について話したり、相手に霊的に奉仕することができるかもしれないのです。このように、自己成長は人生の周期の一部となります。新しい人と出会い、新たな人間関係を築き、相手の人生を豊かにし、また、その人によって自分の人生を豊かにしてもらうのです。

新しいことに興味がわいたなら、主はそのために何らかの理由を持っておられるのでしょう。それは、あなた自身の喜びと幸せのためかもしれないし、あるいはもしかすると、いつかそのうちに、主に栄光を帰し、他の人を助ける何らかの機会や方法に導いてくれるのかもしれません。

今後、私がどんな新しいことを勉強し、研究し、学習するよう、主が導いてくださるのかと、楽しみにしているし、皆さんもそうであるように望みます。

さとき者の心は知識をたずね…る[9]

知恵を求めて得る人、悟りを得る人はさいわいである。[10]

初版は2019年10月 2022年10月に改訂・再版
朗読:ジョン・マーク


1 Joyce A. E. Russell, as quoted by Aaron Skonnard, “12 Powerful Ways to Grow in Your Career,” Inc., October 14, 2014, https://www.inc.com/aaron-skonnard/12-powerful-ways-to-grow-in-your-career.html.

3 2 ペテロ 1:5.

4 John C. Maxwell, “Learning Doesn’t End With Graduation,” blog, May 20, 2014.

5 John C. Maxwell, “The Secrets Of Success: Personal Growth,” blog, January 26, 2016.

6 Adam Bryant, “Drew Houston of Dropbox: Figure Out the Things You Don’t Know,” Corner Office (blog), The New York Times, June 3, 2016.

7 https://onlinebooks.library.upenn.edu/

8 Skonnard, “12 Powerful Ways to Grow in Your Career.”

9 箴言 15:14.

10 箴言 3:13.

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