もう囚われの身ではない!

4月 4, 2022

—石壁と鉄格子を越えて証しをする

Captives No More!
April 4, 2022

マリア・フォンテーン

オーディオ所要時間:15:31
オーディオ・ダウンロード(英語) (14.2MB)

ある友人が、服役中の若い男性についてメールを書いてきました。友人が言うには、その人から長いこと音沙汰がなかったのですが、つい最近、手紙を受け取ったとのことでした。彼は必死な様子であり、今とても大変な状況にあって神への信仰にしがみつき、正気を保とうと戦っているので、祈ってほしいと頼んできたのです。

友人は彼を助けたくてたまらなかったのですが、何と言えばいいのかわからなかったので、私から手紙を書いてもらえたらと思ったそうです。私は、神の愛をこの男性に示し、しがみつくよう励ますことができるよう、熱心に祈りました。

そして、次のような手紙を書いたのですが、皆さんも服役中の誰かに分け合いたい場合は自由に使ってください。

* * *

こんにちは。信仰にしがみつこうと戦っているあなたは立派だと感じたので、そのことを伝えたいと思いました。絶望的であると感じて落胆し、とても多くの邪悪なものや暗闇に取り囲まれている時に、信仰に固く立つためには、途方もない強さを要します。聖書がこう言っていることを思い出して、力をもらうといいでしょう。「あなたがたのうちにいますのは、世にある者よりも大いなる方なのである。」(1ヨハネ4:4) つまり、あなたの人生にイエスがおられるなら、イエスはこの世のどんな悪い人や悪い霊の勢力よりも大きく、強い方であられるということです。

あなたは神の子どもです。イエスに心を開いたのがいつのことであったとしても、主はあなたと永遠に共におられると約束して下さいました。これまで一度もイエスを受け入れたことがないか、そうしたことを覚えていないなら、以下のような簡単な祈りを祈るといいでしょう。

「イエス様、私にはあなたが必要です。歩むべき道が見えないのです。どうか助けて下さい。人生にあなたが必要です。わたしの心に入って下さい。私の過ちを許し、あなたの聖なる霊で満たして下さい。アーメン。」

イエスは言われました。「見よ、わたしは〔あなたの心の〕戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。」(黙示録3:20) 主はあなたの人生にお入りになり、そこをご自身の喜びや平安や、永遠の救いで満たして下さると約束されています。状況がどうであれ、そうして下さるのです。

いったんイエスを自分の人生に招いたなら、主はずっとそこにいて下さいます。たとえあなたが時折、主がそこにおられるように感じないことがあっても、やはりそこにおられるのです。主は決してあなたを離れることはありません。決してです!

(この手紙の中で、あなたに幾つかの聖書の節を分け合いたいと思います。あなたが聖書を持っているかどうかわからないからです。聖書を持っていたとしても、どこから読み始めればいいかわからないかもしれません。以下に聖書からの言葉を幾つか挙げるので、どうぞ読んでみて下さい。)

イエスは言われました:

「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネ 3:16)

「父がわたしに与えて下さる者は皆、わたしに来るであろう。そして、わたしに来る者を決して拒みはしない。」(ヨハネ 6:37)

「わたしは、彼らに永遠の命を与える。だから、彼らはいつまでも滅びることがなく、また、彼らをわたしの手から奪い去る者はない。」(ヨハネ 10:28)

「だれが、キリストの愛からわたしたちを離れさせるのか。患難か、苦悩か、迫害か、飢えか、裸か、危難か、剣か。わたしたちを愛して下さったかたによって、わたしたちは、これらすべての事において勝ち得て余りがある。わたしは確信する。死も生も、天使も支配者も、現在のものも将来のものも、力あるものものも、高いものも深いものも、その他どんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスにおける神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのである。」(ローマ 8:35, 37–39)

「神は、わたしたちをやみの力から救い出して、その愛する御子の支配下に移して下さった。」(コロサイ 1:13)

あなたはこの恐ろしい戦いを、一人きりで戦っているのではありません。イエスは、あらゆる瞬間にあなたと共にいて下さるのです。聖書にはこうあります。「あなたがたは強く、かつ勇ましくなければならない。彼らを恐れ、おののいてはならない。あなたの神、主があなたと共に行かれるからである。主は決してあなたを見放さず、またあなたを見捨てられないであろう。」(申命記 31:6)

あなたはこう言うかもしれません。「ここの生活がどんなに辛いか、あなたには到底わからないでしょう。四六時中危険にさらされているんです! ここの男たちは盗み、嘘をつき、殴りかかってきます。そして時々、誰かが自分の友人だと思っていても、結局は騙されていたとわかり、向こうから食い物にされてしまうんです。」

たしかに、私は刑務所で過ごすというのがどんなものなのか知りません。落胆や絶望感、見捨てられたような気分、孤独感、恐れなどに苛まれつつ、あなたがたがそこでどんな経験を通っているのか、私には想像がつきません。けれども、あなたが経験していることを、イエスがすべてご存じであられることはわかっています。主はあなたのことを何もかもご存じで、あなたについてあなた自身よりもよく知っておられるのです。主はあなたを愛しておられ、あなたが苦しむ姿をご覧になって、胸を痛め、助けたいと願っておられます。恐れを取り去って、平安を与えたいと望まれているのです。

捕縛され、閉じ込められ、殴られるとはどういうものなのか、イエスはご存知です。それどころか、死刑を宣告されるのがどんな気分かも知っておられます。イエスは無実だったにもかかわらず、十字架にかけられて死なれました。あなたのために、私のために、これまで地上に生きたすべての人々のために、そうして下さったのです。けれども、知っていますか? 主はあなた一人のためであっても、そうして下さったでしょう。あなたは主にとって、それほども大切な存在なのです。

人生で何が起こっていようと、祈りを通してイエスと話すことができます。もう駄目だと感じている時にも、心にあることを打ち明けることができるのです。あなたを気遣って下さると確信しつつ、すべての思い煩いや心配事をイエスに委ねるといいでしょう。イエスはあなたに洞察を与え、聖書を通して、あるいは心や思いに囁きかける、静かな細い声で、語って下さいます。あなたはイエスがいつも共に居て下さると確信しつつ、いつでも四六時中会話し続けることができます。

最悪の刑務所においてさえ、イエスがおられるなら、恐れる必要などまるでないのです。イエスはあなたを守って下さいます。イエスを人生の重要な焦点とするなら、その効果を目の当たりにするでしょう。刑務所の中にいても、鬱や恨みや自殺願望や恐れを克服できるのです。

現世におけるご自分の召しを知らせるにあたり、イエスはご自分が、心砕けた人をいやし、囚われた人を解放し、打ちひしがれている人に自由を得させるために来たと宣言されました。イエスはあなたが刑務所の中に居ようと外に居ようと、あなたを霊の内で解放することがおできになります。それは、ご自分を受け入れる人々に約束しておられる自由なのです。

「主の霊のある所には、自由がある。」(2 コリント 3:17)

「また真理を知るであろう。そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう。だから、もし子〔イエス〕があなたがたに自由を得させるならば、あなたがたは、ほんとうに自由な者となるのである。」(ヨハネ 8:32, 36)

イエスは言われました。「わたしは平安をあなたがたに残して行く。わたしの平安をあなたがたに与える。あなたがたは心を騒がせるな、またおじけるな。」(ヨハネ 14:27)

生活の中で常に用いることができるような聖書からの約束を、さらに幾つか挙げておきます。

「恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。」(イザヤ 41:10)

「たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、わざわいを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです。」(詩篇 23:4)

「あなたがたは強く、かつ勇ましくなければならない。彼らを恐れ、おののいてはならない。あなたの神、主があなたと共に行かれるからである。主は決してあなたを見放さず、またあなたを見捨てられないであろう。」(申命記 31:6)

「神はわれらの避け所また力である。悩める時のいと近き助けである。」(詩篇 46:1)

神はあなたをとても愛しておられるので、あなたのために、これらすべての素晴らしい聖書の約束を与えられました。あなたは神を信頼し続けられるよう、戦わなければならないでしょう。あなたに嘘を吐き続け、恐れによって自分に心を支配されるがままになるよう説き伏せようとする悪魔ではなく、神を信じることを選ばなければならないのです。それがたとえどんなに困難であっても、また何度声に出して、あるいは心の中で、「イエス様、あなたを信じ、悪魔の嘘を拒みます。あなたがご自分の約束を果たして下さると信頼します」と言わなければならないとしても。あなたがそのようにするなら、それは効果を生むことでしょう。

神の約束は、あなたがそれを真剣に受け止める時、途方もない力を持っています。それらを何度も繰り返し読み、神がそれらを自分自身に向けて語っておられると信じることによって、そうすることができます! やがてあなたは、それらの約束の幾つかを覚えてしまうことでしょう。そうすれば、どこに居ても何をしていても、それらを思い出すことができます。

神が働かれる時、それには時として時間がかかりますが、神は万事を素晴らしい方法で行われます。あなたの人生のあらゆるものを用いて、ゆくゆくはあなたに益をもたらして下さるのです。あなたが神を信じ、神のご計画に身を捧げるならば。(ローマ 8:28を参照して下さい。)

あきらめてはいけません! 神を仰ぎ続けましょう。たとえそのために、残っている最後の力を振り絞らなければならないとしても。あなたは忍耐を必要としており、それは容易なことではないとわかっていています。そして粘り強さも必要ですが、それも難しいですね。聖書にはこうあります。「キリスト・イエスの良い兵卒として、わたしと苦しみを共にしてほしい。」(2 テモテ 2:3) 神の御手はあなたの人生の上に置かれており、何が起ころうとも、神はすぐそばに居て、あなたを助け、あらゆる問題を切り抜けさせ下さいます。

イエスは兄弟よりもすぐ近くに居て下さる友人です。(箴言18:24を参照して下さい。) イエスは決してあなたを離れず、捨てることはないと約束しておられます。(へブル 13:5)

愛するイエス様、この人はあなたの子どもであり、これらの耐え難い状況にもかかわらず、最善を尽くしています。彼にはあなたが必要です。あなたの聖霊の助けが必要なのです。あなたが与えることのおできになる、すべての助けが。彼は状況がこれ以上悪くなり得ないと思われる時に、聖霊が与えることのおできになる、力や、慰めや、より強い信仰を必要としています。彼があなたの聖霊に頼り、必要な助けを求められるようにして下さい。彼には強さや、知恵や、大胆さの他にも、非常に多くのものを必要としており、求めるなら、それらを受け取ることができるのです。(ルカ 11:13を参照して下さい。)

彼は疲れ果てて、辺りを覆い尽くす暗闇に呑み込まれそうに感じており、あなたの光を見る必要があります。どうか彼に希望を与えるために、何かをして下さい。彼に必要なものを供給して下さい。とりわけ超自然的な平安という奇跡を。

自分があなたの保護に覆われていることを、彼が感じ取れますように。あなたは私たちが祈る時に、それがかなえられると信じるなら、必要なものが与えられると言われました。(マルコ 11:24を参照。) 信じることができるよう、彼に信仰を与えて下さい。彼がそのような信仰を得るためには、聖書の中のマタイ、マルコ、ルカ、そしてヨハネの福音書に書かれているあなたの人生について学び、あなたの御言葉と約束にみずからを浸す必要があります。聖書には、もし私たちがあなたに心を留めるなら、平安を得るであろうと書かれています。

彼の心と思いを、私たちの理解できる範囲をも超えた平安で満たして下さる様、祈り求めます。(ピリピ 4:7) 彼はこれらの問題や、ぞっとするような状況から、単純に離れ去ることなどできませんが、その只中にあってさえ、あなたの存在に気づくことができるのです。あなたを頼り、あなたが約束された助けを手にするのだと、固く心に決めることができます。時として、状況は目に見える形で変わることはないかもしれず、彼は忍耐と粘り強さをもって、ありったけの力を振り絞らなければならないかもしれませんが、あなたはいつも彼と共に居て下さいます。

彼があなたの愛に包まれ、満たされていると感じますように。そうすれば、恵みや平安や忍耐が持てるようになるでしょう。彼があなたの御言葉の知識において成長し、信仰の人生を歩むことに、満足感と喜びを見いだすよう祈り求めます。

以上が、私のお友達であるあなたのために、私が祈った祈りです。

最悪の状況にいて、もう与えるものが何も残っていないと感じる時に、神は往々にして、あなたが持っているような信仰を必要としている誰かを、あなたがたの只中に置くことで、素晴らしい祝福をもたらされることがあります。そしてあなたは、他の誰かがイエスを知るよう助けようとしている時に、自分の心の中で神の愛がより強く、より素晴らしい形で成長することに気づくでしょう。自分が拠り所としている愛と慰めと希望によって、誰かを引き上げる時、神はあなたを祝福して下さいます。何と言えばいいのかわからないなら、おそらく手始めに、この手紙を相手の人に見せてもいいかもしれません。

* * *

皆さん兄弟姉妹にお願いします。どうかこの若者のために祈って下さい。神によって彼の霊が支えられ、必要な仲間との交わりを見いだすことができるように。そうすれば彼や他の信者らは共に、その暗い場所に神の光を広めることが出来るでしょう。

道を踏み誤ったために、現在服役中のクリスチャンたちが大勢います。神は彼らに進み続けるための希望をお与えになり、鉄格子の中にあっても祝福となる方法を教えることがおできになります。彼らは、祈りによる支えを切実に必要としています。それによって彼ら自身も、他の人たちにとっての光となることができるように。この手紙を広く配り、受け取った人全員がそれを他の人々に分け合ってくれるよう、私と一緒に祈っていて下さい。そうすれば、刑務所全体に手が差し伸べられ、皆がイエスについて聞くことでしょう。

初版は2019年5月 2022年4月に改訂・再版
朗読:デブラ・リー

Copyright © 2024 The Family International