私たちは、勝ち得て余りがある

引用文集

ローマ8:37にはこうあります。「わたしたちを愛して下さったかたによって、わたしたちは、これらすべての事において勝ち得て余りがある。」 勝つとは、つまり敵に打ち勝つことです。「勝ち得て余りがある」とは、単に勝利を収めるだけでなく、その勝利が圧倒的であるということです。…

旧約聖書には、神がその民イスラエルに奇跡的な勝利をもたらされた事例が、数多くあります。イスラエルびとは、人間的な見方をするなら、到底敵に勝ち目がありませんでしたが、神は、彼らに恐れぬようにと告げられました。ご自分が彼らに代わって戦いを戦うからと。出エジプト記14:14にはこうあります。「主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい。」 主はエレミヤに、反抗的なイスラエルびとの不従順への罰として、敵軍を彼らにもたらすと言われました。しかしその時でさえ、「『彼らはあなたと戦うが、あなたに勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて、あなたを救うからである』と主は言われる。」^[1] 一例をあげると、神がある軍隊に対して、敵の大軍が攻め寄せてくる物音をお聞かせになった時、全員が陣営を捨てて逃げ出しました。飢餓状態だったイスラエルびとは、敵の陣営に残されたものを略奪することにより、自分では何一つせずに、家族に必要なものを手に入れることができました。^[2] 彼らは迫り来る軍隊から救われたばかりか、実際にその脅威を自らの益としたのです。彼らは「勝ち得て余りがある」者となりました。

サタンは私たちの敵対者です。奴は神の子どもたちの幸福や信仰を脅かそうと、人生を台無しにし、喜びを失わせるような、ありとあらゆる攻撃を仕掛けてきます。そのような攻撃の多くが、ローマ8:35–39に挙げられています。患難や苦悩や迫害や飢饉や、裸や剣といったものが。パウロは、そのような攻撃に遭った時には、最終的には自分たちが勝つということだけではなく、イエスは自分たちをたった今勝たせることがおできになるということを思い出して、信仰の内にしっかりと立つよう励ましています。サタンには、私たちから永遠の宿命を奪い取ることも、たった今私たちを神の愛から引き離すこともできません。私たちがどんなことに直面しようと、神はそのことで不安に感じたりはされません。御子を信じて神の子となっているなら、私たちには神の愛と保護が約束されています。イエスは、ヨハネ10:27–29でこう言われました。「わたしの羊はわたしの声に聞き従う。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしについてくる。わたしは、彼らに永遠の命を与える。だから、彼らはいつまでも滅びることがなく、また、彼らをわたしの手から奪い去る者はない。わたしの父がわたしに下さったものは、すべてにまさるものである。そしてだれも父のみ手から、それを奪い取ることはできない。」

勝ち得て余りある者になるとは、自分は一人ではないという確信をもって、人生の試練に立ち向かうことです。私たちには、自分たちのために戦って下さる、力強い父なる神がおられます。私たちは最も暗い谷間にも、確信を持って近づきます。愛情深い父なる神が、私たちの益とするためにお許しにならない限り、自分たちに何事も起こらないとわかっているからです。^[3] 私たちには永遠の命という神の約束があるし、^[4] 全能なる神は、私たちが神と顔と顔とを合わせてまみえる日まで、日々一瞬ごとに共にいて下さいます。^[5] 私たちのどんな罪や、どんな敵の試みも、私たちの人生から神の愛情深い世話を奪い去ることはできず、こうして私たちは、自分たちを愛して下さるキリストを通じて、勝ち得て余りある者となるのです。—GotQuestions.orgより

非常に喜ばしいことと思いなさい

戦いはあなたをより強くする。苦痛は不屈の精神と忍耐を教えてくれる。押しつぶされることで悪いものが搾り出され、良きものが生み出される。試みの火は不純物を焼き尽くし、あなたを清める。孤独はあなたをわたしに引き寄せる。自分の至らなさによって、あなたはわたしがどれほど必要かに気づく。悲しみはあなたに憐みの心を与える。困難があるから、あなたは良い時のことで私を賛美し、感謝する。逆境の雨は、あなたがわたしに目を留める時に視界をはっきりとさせる。

だから、試練や誘惑に遭う時には、すべてを「喜ばしいこと」と思いなさい。あなたはわたしによって、これらすべてのことにおいて勝ち得て余りがあるのだから。—イエス、預言で語る

障害を乗り越える

目下の状況は、少なくともすぐには変わらないかもしれませんが、神はあなたがその状況を超越できるよう、助けることがおできになります。障害がなくならないなら、何とかしてそれを乗り越えるか、くぐり抜けるか、避けて通れるようにして下さるでしょう。すべての問題を取り除かれることはないにせよ、きっとあなたを無事に切り抜けさせて下さいます。

クリスチャンの人生は、より楽なものになるということではなく、より良いものになるのです。障害を乗り越えるために、いったん神の御力や恵みを用いる術を学ぶなら、人生はどんなに素晴らしくなることでしょう！ つまずきの石は、成功への踏み石となり、重荷から翼が生じます。そして日々の問題や災いや、人生の苦難を、悠々と超越することができるのです。—シャノン・シェイラー ^[6]

神が約束されたもの

神は約束されませんでした
生涯変わることなく
常に青い空や
花咲く小道が続くであろうとは。
神は約束されませんでした
晴天ばかりで雨も降らず
喜びばかりで悲しみもなく
苦痛もなく平穏でいられるとは。

神は約束されませんでした
苦労や誘惑や
問題や災難を
味わうことがないとは。
神は言われませんでした
重荷を負うことも
思い煩うことも
さほどないであろうとは。

神は約束されませんでした
案内人も要らないような
なだらかで広い道を
速やかに楽々と進み
岩だらけで
急勾配の山々や
逆巻く深い川が
一つもないであろうとは。

けれども神は約束されました
その日を生きる力や
労苦からの休息
道を照らす光
試練の時の恵み
天の助け
尽きることのない憐み
そして不滅の愛を。
—アニー・ジョンソン・フリント

戦うための力

アメリカの偉大な公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング牧師は、途方もない勇気の持ち主でした。中傷や殴打や投獄や殺害脅迫を耐え忍んだのです。家には火炎瓶が投げ込まれたし、私たちの誰もが知っているように、最終的には暗殺されました。

では、なぜ彼は進み続けられたのでしょう？ 人生における神の召しを強く感じていたからです。アラバマ州モントゴメリーで、公民権運動の主導者に選任された時、彼はまだ26歳でした。キングはクー・クラックス・クラン（アメリカの白人至上主義団体）からの恐ろしい脅迫以外にも、警察から嫌がらせを受けました。制限時速を8キロほど超過したかどで逮捕され、初めて投獄されたのです。釈放後に、夜家にいると電話がかかってきました。受話器の向こうで、殺気立った声が言いました。「お前にもお前の面倒事にも、もううんざりだ。3日以内にこの町を出て行かないと、脳天を撃ち抜いて家を爆破するぞ。」

キングは自分や妻や幼い子どもたちの身を案じて、すっかり怖気づき、恐ろしくなりました。電話があったすぐ後に、彼はキッチンのテーブルでコーヒーを飲んでいました。後にこう語っています。「私はそのテーブルに座って、幼い娘のことや、いつその子が取り去られてもおかしくないことについて考えていました。そして向こうで眠っている、勤勉で献身的で忠実な妻のことを。…そしてもう、それ以上耐えられなくなりました。私は弱っていたのです。…

「その時、私は気づきました。宗教を自分の現実とし、神を直接知る必要があることに。私はコーヒーカップの上で頭を垂れました。その時のことは、決して忘れないでしょう。…私はこう言ったのです。『主よ、私はここで、正しいことをしようと努めています。私は自分が正しいと考えています。私たちが掲げる大義は正しいと思いますが、自分が今弱っていることを告白せざるを得ません。よろめき、意気消沈しているのです。』…するとその時、心の中でこんな声が聞こえました。『マーティン・ルーサーよ、正しいことのために立ち上がりなさい。正義のために、真理のために立ち上がりなさい。見よ、わたしは世の終わりまで、常にあなたと共にいる。』…これからも戦い続けるようにと告げる、イエスの声が聞こえたのです。主は決して私を離れず、一人にされないと約束されました。決して一人にされることはない、そう、決して一人にされることはない、と言われたのです。決して離れることも、一人にされることもないと。」

3日後の夜、電話による悪意に満ちた脅迫は、現実となりました。キングの家の正面のベランダで爆発物が破裂したのです。幸いなことに、けが人は出ませんでしたが。けれどもキングは、それを乗り越えることができました。「数日前の夜の宗教的な経験のおかげで、それに向き合う力が与えられたのです。」 マーティン・ルーサー・キングは、その活動を通じて幾度となく、恐ろしい困難に面した時には、その経験を思い返して、自らの励みとしました。—storiesforpreaching.comより ^[7]

2018年8月にアンカーに掲載　朗読：ジェリー・パラディーノ
音楽：マイケル・ドーリー