マリア・フォンテーン
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しばらく前に、私はある素晴らしい学術研究のことを耳にしました。これは、イエスが私たちにどこに行くよう求められたとしても、そこで神のメッセンジャーになるための確信を強める上で、私たち一人一人にとって役に立つと思います。ロバート・ウッドベリー[1] という社会学者によるこの研究で述べられている証拠は、キリスト教によるポジティブな影響を、事実に基づき、説得力がある方法で説明する上で、助けになると思います。
ウッドベリーの研究で述べられていることを皆さんにもっとはっきりわかっていただくために、私の同僚の一人にウッドベリーの研究[2] と、それに関して「クリスチャニティ・トゥディ」に掲載されている記事[3] を要約するようお願いしました。その一部をここで紹介したいと思います。
ウッドベリーと彼のチームは、14年の歳月をかけて研究のためのデータを収集したのですが、それらのデータは、過去にプロテスタントの宣教師が大きな存在感をもっていた地域では、現在、平均して他の地域よりも経済が発達し、健康状態もより良く、乳児死亡率や腐敗の程度がより低く、識字率がより高く、学業成績(特に女性)がより高く、非政府団体に積極的に加入している人が多いという、包括的な主張を裏付けるものでした。
ウッドベリーは、宣教師が民主主義に及ぼした肯定的な影響は、「コンバージョナリー・プロテスタント」と呼ばれる人たちから来たと結論付けており、次のようにコンバージョナリー・プロテスタント(CP)を定義しています。「(1)他の人たちに自分たちの信条を信じるよう活発に説得し、(2)一般人がその国の言語で聖書を読むことを重視し、(3)グループのメンバーになることや秘跡によってではなく、恵みと信仰と選択によって救われると信じる人である。CPは必ずしも正統派あるいは保守派とは限らない。」
国から資金提供を受けているプロテスタントの教役者や、1960年代以前のカトリックの宣教師たちは、布教先の地域にそれと同等の影響を及ぼすことはありませんでした。結局のところ、政府の支配から独立して活動することは、宣教師の効果に大きな違いをもたらしたのです。ウッドベリーは、政府の資金提供を受けていない宣教師の方が、一般人からより多くの支援を受けていることを知りました。彼は、そういった宣教師こそ最善を尽くして虐待に反対する運動を行っており、一般人が自国を守ったり、アヘン貿易を終結させたり、地主による虐待に対して戦ったり、奴隷解放運動において重要な役割を果たしたりするのを助けてきたことを知りました。彼らがそうしたのは、人々への愛ゆえのことでした。人々を気にかけていたし、彼らが不当に扱われているのを見て、間違いを正したかったからです。
これらの宣教師は、また大衆の識字能力と教育の面でも戦いました。神の目から見て万人が平等であるなら、すべての人は自分の言語で聖書を読めるべきであり、それなら、読み方を知らなければならないとわかっていたのです。彼らは人々が聖書を読むことを学べるようにすると同時に、貧困から抜け出て民主主義運動を確立するための能力を与えていました。
ベイラー大学の歴史学教授であるフィリップ・ジェンキンズはこの研究について次のように語っています。
「どんなに粗探しをしようとしても、この理論はぐらつくことがない。[これは]キリスト教に関する世界的研究に対し、重大な意味を持っている。」
オクラホマ大学の教授、ロビン・グリアー博士は、この研究について次のように語っています。
「私は宗教を信じていない。‥‥[宣教活動]という概念を快く思ったことは一度もないし、それは身をすくませるに足るものと思える。だが、ボブの論文を読んだとき、私はこう思った。『わあ、これは驚きだ。[これらの宣教師たちが]残したものはずっと長く受け継がれるだろう。』 これは私の見方を変え、考え直させてくれた。」
クリスチャニティ・トゥディの記事は、次のように続きます。
「ウッドベリーの研究結果は、10余の研究で裏付けられています。調査が進むにつれ、民主主義と発展に対する、学者や援助活動家・経済学者の考え方が変わりつつあります。」
これは、宣教師の持つ力が文化や個人にポジティブな益をもたらし、この世の益のために強力かつ一貫した影響力を持っているという、明確で説得力ある証拠です。
クリスチャンとして、私たちは真理と愛と知恵と自由の大使となる召しを受けています。イエスが私たちを無条件に愛しておられるゆえに、私たちは他の人たちのために犠牲を払う力や恵みが与えられます。それは、神の愛は真実であると私たちが告げている大勢の人たちにとっての証拠となっています。それは、戦争、暴力、貪欲、権力の追求、搾取といった、人類が戦っている多くの悪をものともせず、その面前で人生を変えています。
クリスチャンの愛情深い行動と言葉がより良い道を指し示すのです。なんと理想的で、賞賛すべき任務でしょう! クリスチャンの宣教活動は国また国へととてつもない利益をもたらし、数え切れないほどの人たちの人生における強力な影響力となってきました。それが理由で、宣教師たちは自分が奉仕してきたとても多くの場所で、地元の人たちに深く尊敬されてきたのです。
私たちはクリスチャンが提供しうる歴史的に強力な益の一部です。私たちの努力が及ぼす影響は、この世界を変え続け、イエスが与えてくださった真理と自由と目的という素晴らしい遺産を継承します。そして、私たちは主が戻ってこられる時にそれを喜ぶのです。
初版は2015年4月 2018年1月改訂・再版
朗読:イレーヌ・キティ・ベラ
1 ロバート・ウッドベリーはシンガポール国立大学の政治科学部准教授および「宗教と経済の変化に関する研究」プロジェクトの部長。ベイラー大学宗教学研究所の非常勤研究者、およびバークレイ・センターの宗教的自由プロジェクト(RFP)の研究者。RFPの「キリスト教と自由」プロジェクトの一員だったこともあります。ウッドベリーは宗教が政治の発展と経済の変化に及ぼす影響を専門とする社会学者です。
3 ロバート・ウッドベリーについてのクリスチャニティ・トゥディの記事は、Andrea Palpant Dilley著、タイトルは、『The Surprising Discovery About Those Colonialist, Proselytizing Missionaries』です。 ここで読むことができます。(Google News経由で検索して読むこともできます。)