「それを作れば、彼らはやってくる」

4月 13, 2016

“If You Build It, They Will Come”
April 13, 2016

アンナ・ペルリニ

「それを作れば、彼らはやってくる」というのは、1989年の映画「フィールド・オブ・ドリームス」以来よく使われる言葉で、大勢の人に、夢は大きく、という励ましを与えました。

私たちの場合、「彼ら」はすでにやってくることになっていたのですが、家が小さすぎる状態でした。若いボランティアたちが、ボランティアの訓練を受け、旧ユーゴスラビアで私たちが行っている活動に参加するために来ようとしていたのです。そこに数年前から借りていた家は、人道支援活動のオフィスかつ拠点でもありました。

ある日、友人が立ち寄り、こんな意見を口にしました。「もっと大きい家が必要だよ。土地を買って、もっとこの活動にふさわしい大きな家を建てたらいい。家賃でお金を無駄にするのはやめたほうがいいよ。」

それまでは、もっと大きな家を借りることを考えていたので、土地を買って、そのうえ家を建てるなど、思いもしなかったことでした。リスクは大きく思えたし、私たちの快適ゾーンを完全に超えていました。どうやってお金を得るのか、それに、私たちは外国人だから、山ほどの書類が必要になるのではないか。

この友人はプロのファンドレイザーで、こう続けました。「ほら、夢は大きくだよ! あなたたちの活動はすごくうまく行っているし、この地域でのニーズは大きいんだから、拡張すべきだ。とにかく、探してごらん。助けてあげるから!」

というのは、7年ほど前のことでした。

私たちは土地を探し、ファンドレイジングを始めました。その頃、ヨーロッパでは不況が深刻化しており、そのように大規模でお金のかかるプロジェクトを始めるのに最適な時には思えませんでしたが、それでも私たちはやり続けました。

その後、2010年に土地を見つけたのですが、ジャングルみたいな場所でした。その岩だらけのデコボコな土地がまともに使えるものになると考えるには、大変な想像力を要しました。ミケランジェロは大理石の塊からあの驚くべきダビデ像を彫ったわけですが、彼が最初にその石の塊を見た時にどう感じたかを思わされました。

言うまでもなく、導きや確証を求めて何度も主の元に行きました。土地を買うための法的手続きを始めようとした頃、主は預言でこう言われました。「この土地は、大勢の人の汗と涙と祈りの結晶である。あなたたちがこの国に来たのは、このような時のためであった。だから、わたしの栄光のためにそれを自分のものとしなさい。信仰と知恵をもって進むなら、わたしはあなたの団結を固いものとする。今が時である。わたしは一歩一歩導こう。わたしに信頼しなさい。すべての道でわたしを認め、わたしがあなたの道を導くのを見なさい。」

私たちボランティアの小さなグループは建築という面ではほとんど何の経験もありませんでした。夫はずっと教師かつミュージシャンをしており、もう60になろうとしていましたが、作業着を着て、この新しいチャレンジに心血を注ぎました。友人たちも資材や特別な仕事をする人材の面で助けを申し出てくれて、皆で日夜懸命に働きました。これは、私たちの夢であるだけでなく、多くの友人にとっての大望ともなったのです。

同じ年に土地は整備され、基礎工事が終わり、励ましに満ちたスタートを切りました。でもそれから書類の提出、お役所仕事、法的な煩雑さなどのせいで遅れが出て、翌年は苛立ち落胆するようなことが続きました。これが進むべき道だったのだろうか、どうしてこんなことにはまり込んでしまったんだろうと真剣に悩むことも幾度かありました。

すると主はまたも励ましに満ちた言葉を語ってくださったのです。

「人々が異なる観点を持ち、異なる世界を見るよう助け、また、与え、他の人にとっての祝福になれる方法を考えるよう励ますことにより、あなたたちは彼らの人生を変える助けとなっている。数日あなたたたちと過ごし、愛を行動に移す姿を見て、彼らは、あなたたちの中にわたしを見るチャンスが得られる。あなたたちの生き方は証明であり、ほとんど説明はいらない。献身的にわたしや他の人たちに仕えているというだけで、刺激であり、力強いことである。そこを訪れる人たちは、こうしたことに魅かれるのだ。

わたしはあなたたちの手に大いなる召しを与えた。だから、物質面で助けるため、またこの建設を終え、プロジェクトを助けるために、これまでにも多くの人たちを立ててきたし、これからもさらにそれをするだろう。そうすることで、あなたたちが困窮している人たちをより効果的に助けられるようにである。この一年は困難の年であったが、これからもしっかりビジョンに目をとめていく必要がある。多くの人たちが、あなたたちは本気かどうか見守っているからだ。大勢が、この活動に参加し、あなたたちに加わるのを待っている。さらに多くの人の人生がこの過程で変えられることだろう。」

夏の間にやってきた友人たちが、私たちのためにピザ窯を作ろうと言ってくれました。その一人はゲストブックにこう書きました。「懸命な働き、汗、笑いは無駄にはならないと信じている。その全ては、この新しいセンターに必要な材料であり、多くの人たちが友情と喜びのうちに結び合わされ、より良い世界を築くのを助けることだろう。」 この言葉はビジョンを広げてくれました。

さらに数ヶ月、祈りや忍耐や変わらぬ信仰のうちに進み、建設できる段階に来ました。すべてが整い、ついに物事が早く進み始めたのです。

そして、2013年の6月、私たちはこの新しい場所に引っ越し、忙しい夏を過ごしました。9月にはシンプルながらも感動的なオープニングセレモニーを催し、そこは「ホーム」(わが家)と呼ばれることになりました。多くの時間をつぎ込んでくれた友人やボランティアたち、汗と涙を流した人たち、訪れていた若者たちが皆、この名前に賛成したのでした。

夏のキャンプや一年を通して訪れる人たちを泊める場所を確保するのには今も苦労しています。もう1階分建て増しをすることになっており、家の外もまだ多くの作業が残っています。けれども、私たちの期待をはるかに超えて夢が実現したのです。ここは大勢にとって「わが家」となってきました。途中で諦めなかったことを本当に感謝しています。

それを作れば、彼らは引き続きやってくる・・。

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